アサヒグループ食品新社長に川原浩氏

2021年4月19日

アサヒグループ食品新社長に川原浩氏

ブランドの新価値提案へ “尚山体制”継承とスピード

アサヒグループ食品のトップが尚山勝男氏から川原浩氏にバトンタッチされた。2017年から5年にわたる尚山社長の業績を継承しながら、川原新体制では、社会変化の加速化と生活スタイルの多様化に、社員一丸となって対応していく構えだ。

川原社長は「食は成長産業」と捉えるとともに、「食品業界が果たすべき役割は大きい」と述べる。食品事業では、選ばれ続けるためには「おいしさが最も重要」だとし、さらに「お客様の様々なライフスタイル、ライフステージで“心とからだの健やかさ”の価値提供をし続ける会社を目指す」と強調した。

「新しい価値の提案」は、尚山前社長からのエールでもある。

尚山前社長が築いてきた功績は大きい。社長に就任した2017年から、19年の売上は106%、事業利益は155%の伸びを示している。理由として尚山前社長は、1圧倒的なブランド力2粗利ミックスのバランス3ポートフォリオの変革の3つを挙げる。

苦慮した点としては、別会社であったアサヒフードアンドヘルスケア、和光堂、天野実業を一体化し、さらに昨年、アサヒカルピスウェルネスを吸収合併したこと。4社の統合によるシナジー強化が最大の任務だったと述懐する。

食品事業は昨年(2020年)、コロナの影響(外出制限)で「ミンティア」が苦戦したものの、ほかの4ブランドは好調だった。

今年度は「ミンティア」のブランド価値を「心のリフレッシュNo1ブランド」とし、マスク着用時専用、ビタミンAや1日分のマルチビタミンがとれる栄養機能食品を3月に発売。ヘルスケアカテゴリーでの価値提案で、“ミンティア回復”を目指す。