2021年10月DgS・SM売上伸長カテゴリ/True Data

2021年11月30日

「緊急事態宣言解除」で外出ニーズが復興

True Dataは、同社の統計データをもとに、ドラッグストア(DgS)、食品スーパーマーケット(SM)における2021年10月の売り上げ伸長カテゴリを発表した。

 10月は家飲みが習慣化した影響か、「スピリッツ」、「リキュール類」などの酒類が前年同月と比べ売り上げを伸ばした一方、外出の機会が増加したことにより「チューインガム」、「制汗防臭剤」の売り上げも伸長した。

 緊急事態宣言が解除された10月は、これまでの「ウチ消費」に加えて、「ソト消費」にも好調なカテゴリが現れまており、今後の生活様式がどのように変化していくのか、消費動向が注目される。

「暖かい秋」で嗜好品が伸長

 DgSでは、「スピリッツ」、「リキュール類」に加え「ビール」も2桁伸長し、TOP20にランクインした。緊急事態宣言は解除されたが、家飲み需要は継続しているようだ。

 緊急事態宣言解除の影響は、意外なカテゴリー現れている。外出する機会が増えたためか「チューインガム」の売り上げが伸びている。DgSは特に顕著で、前年同月比23.8%の増加となっている。

 また10月前半は東京でも真夏日を記録するなど、暑い日が続いたことにより「スポーツドリンク」が27.2%増加。涼しくなる秋には消費が落ちる傾向にある「ファミリーアイス ※1」も12.3%増、「パーソナルアイスその他 ※2」が10.6%増と伸長している。

「暖かい10月」の影響は食品以外の消費にも現れている。10月前半は気温が高かったことに加え、外出の機会が増えたことにより、ドラッグストアで「制汗防臭剤」の売り上げが前年同月に比べ11.4%増加した。反面、乾燥時期に向けた意識も伸長し、手や全身に使える保湿化粧品「ボディローション・クリーム」は前年同月に比べ13.2%増加している。

※1「ファミリーアイス」:乳脂肪分の高い「プレミアムアイス」を除く、箱入りアイスなど
※2「パーソナルアイスその他」:乳脂肪分の高い「プレミアムアイス」を除く、単品のアイス

 ワクチン接種ひと段落で需要は食品に

 SMも、「氷」や「スピリッツ」「リキュール類」、「チューインガム」に加えて「ファミリーアイス」「パーソナルアイスその他」が売り上げを伸ばしている。

 9月の調査で上位にランクインした「解熱鎮痛剤」がコロナワクチン接種が進んだためか、ランク外となっている。

 またSMでは「スポーツドリンク」が首位となり、いかに暖かい秋であったかがわかると同時に、外出機会やスポーツシーンが復活していることが消費からわかる。

〈2021年10月の集計データについて〉
・数値…小数点以下第二位を四捨五入  
・カテゴリ別伸び率ランキング…生鮮・惣菜カテゴリ及び、カテゴリ名の冒頭に「その他」を含むものを除外し、1店舗あたり200個以上売れているカテゴリを集計
・データ抽出日…2021年11月15日  
・全国ドラッグストア、食品スーパーマーケットのPOSデータをもとに統計化した購買データで集計。データには店舗・個人を特定する情報は含まれない

「飲料はリアル店舗で」の意向高くランキングの多くを占める

 DgS、SM共に、パウダー含む「飲料」カテゴリーが多くランクインしている。

 ある宅配事業者は「物流と配送回数の問題で、飲料のケース売りを停止している」という。コロナ禍で浸透したデリバリーサービスにおいても、飲料もセットで購入する人は少数だ。外出機会増と巣ごもり需要が同時に進む「暖かい秋」において、「飲み物はリアル店舗で」と生活者は、チャネル別で購入手段を分けているようだ。

データ提供:True Data

文:「月刊H&Bリテイル」編集部 中西陽治