ビタミンB12不足による貧血に注意!

2021年9月24日
ビタミンB12不足による貧血に注意!

ビタミンB12不足による貧血に注意!

—— 『栄養素カレッジ』 が注目の栄養素「ビタミンB12」を専門家監修のもとに紹介 ―

 一般的に「貧血=鉄不足」は広く認知されるが、貧血の原因は鉄だけではない。例えばビタミンB12が関係することも、あまり知られていないようだ。栄養素についての正しい知識づくりをサポートする情報ポータルサイト 『栄養素カレッジ』(運営:大塚製薬株式会社、URL:https://www.otsuka.co.jp/college)は、ビタミンB12不足がもたらす貧血の理解促進を目的に、発症のリスクのある方やビタミンB12の摂取方法など、 ビタミン研究の第一人者である神戸学院大学栄養学部教授・田中清先生による監修のもと紹介している。

▽貧血の原因と症状

 貧血は、血液中で酸素を細胞に運ぶ役割の赤血球の数が減少したり、赤血球の成分であるヘモグロビンが少ないことで生じる。身体の細胞に酸素が十分運べなくなり、めまい・立ちくらみ・疲れやすい・動悸・息切れ・耳鳴りなど様々な症状が現れる。貧血の種類によりその原因も異なるので、適切な対応をするためにも原因を知ることが大切となる。

 閉経前の成人女性は月経により定期的に鉄を喪失するため鉄欠乏状態になりやすく、およそ10~20%の高い頻度で鉄欠乏性貧血を発症していると言われている。主な貧血の原因は鉄欠乏による鉄欠乏性貧血だが、その他の貧血の原因として、ビタミンB12や葉酸の欠乏により発症する貧血があることも注目である。

▽同じ症状でも改善策は異なる

 鉄分の欠乏だけではなく、ビタミンB12や葉酸の欠乏による貧血は性別や年齢に関係なくおこる。このビタミンB12や葉酸欠乏による貧血は、鉄欠乏性貧血と同じく、疲れやすい・めまい・立ちくらみといった症状があるが、症状だけで原因が鉄分の欠乏にあると判断し、鉄分を補給しても改善しないので注意が必要だ。

▽冷え性の原因は「貧血」も関係

 冬だけでなく、夏場に長時間エアコンをつけた室温で冷え性を感じる女性も多いが、冷え性の原因は貧血も原因となっている可能性がある。血液中の赤血球が少なくなる貧血が加わると、循環している赤血球の数も少なくなる。結果手足の細い血管まで十分に血液が行き渡らなくなり、「冷え」をより強く感じるようになるという訳だ。

▽動物性食品に含まれるB12

 貧血や冷え性は生活習慣が大きく影響するが、ことさら食生活の偏りがあるなら見直すべきである。ビタミンB12は植物性の食品にはほぼ含まれず、魚介類や肉、卵といった動物性の食品から摂取しなければならない。動物性食品を摂らないヴィーガンやベジタリアンなどの菜食主義の方はビタミンB12を意識的に摂取することが大切だ。

▽胃の機能能が低下した中高年が不足しやすいB12

 50歳以上の中高齢者は、胃酸の分泌量が減り、食品からの栄養の吸収率が低下する傾向にある。加齢にともないビタミンB12不足になりやすいため注意が必要だ。また、ビタミンB12は小腸で吸収される際に胃壁から分泌される「内因子」という物質を必要とするため、胃を切除された方、慢性的に胃炎がある方は、この内因子が不足することによって吸収されにくくなる。

▽成人の摂取推奨量は2.4μg/日

 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、ビタミンB12の摂取推奨量/日は18歳以上の男女とも2.4μg。妊娠中に摂取を推奨する栄養素にも位置づけられており、妊婦(18歳以上)の推奨量は2.8μg、授乳婦(18歳以上)の推奨量は3.2μgとなる。なお、通常の食事をしていれば不足することはなく、ビタミンB12は過剰に摂っても必要以上に吸収されないため、摂り過ぎの心配もない。

 一方、貧血や冷え性が多いとされる女性は、日々の食生活にビタミンB12を多く含む、さんま、かつお、いわしなどの青魚やあさり、しじみ、レバー、赤身肉、卵などを摂り入れるべき。ビタミンB12は水溶性のため、スープなどまるごと食べられる調理法や汁ごと使える缶詰などの利用が効果的。菜食主義の方やダイエット等で動物性食品を避けたい方は、ビタミンB12が豊富な海苔がおすすめ。さらに中高齢者や胃腸の疾患のために食品からの吸収が難しい方は、サプリメントを活用するケースも増えている。

監修者 神戸学院大学 栄養学部 教授 田中 清(タナカ キヨシ)先生のコメント

 ——「めまい」や「ふらつき」など貧血による症状は様々ですが、その程度により悩まれている方も少なからずいらっしゃると思います。ビタミンB12を補給する場合はその吸収効率を考えると、食品に含まれるビタミンB12よりサプリメントに含まれる遊離型ビタミンB12の吸収効率が高いという「food cobalamin malabsorption」という概念が提唱されているので、サプリメントの活用もおすすめです。また、ビタミンB12の欠乏は神経障害にも関係しますので、欠乏しないよう注意しましょう。