γオリゴ糖「遅消化性デキストリン」として提案/シクロケム

2025年7月1日

ヒト試験で体脂肪・疲労の低下を確

シクロケム(東京都中央区)は、環状オリゴ糖の「αオリゴ糖」および「γオリゴ糖」について、20年以上の供給実績を持ち、機能性の研究にも注力してきた。
近年では、γオリゴ糖(γ‐シクロデキストリン)の特性である「遅消化性」に着目し、研究体制を強化している。

γオリゴ糖は、8個のグルコースが環状に結合した構造を持ち、その中に機能性成分を包接化することで、水溶性や安定性の向上、酸化防止、においの抑制、生体吸収性の向上といった効果が得られることから、さまざまな食品や飲料の物性や機能性の向上を目的に使用されている。

包接化された機能性成分は腸管で胆汁酸に触れると徐放・吸収され、フリーになったγオリゴ糖はアミラーゼによって分解・吸収される。
しかし、γオリゴ糖の吸収速度は、でんぷんやマルトデキストリンなどと比べて非常に緩やかであり、「遅消化性デキストリン」とも呼ばれている。

ヒト試験では、マルトデキストリンと比較して摂取後の血糖値上昇およびインスリン分泌が緩やかであること、また脂肪の代謝を有意に維持したことが確認された。

このほか、神戸女子大学が実施したヒト試験では、γオリゴ糖の摂取による体脂肪や疲労の低減効果も確認されている。

同社の寺尾啓二社長は「γオリゴ糖は単独で摂取するだけでなく、ゲスト成分を包接して摂取した際にも遅消化性デキストリンとしての有効性が期待できる。物性の向上と健康機能を同時に得られる〝一石二鳥〟の素材として、提案を広げていきたい」と話す。

なお、最近では江崎グリコが遅消化性デキストリンの一種である「クラスターデキストリン」の取り扱いを開始するなど大手企業からも注目を集めており、一般消費者への認知拡大や新たな市場形成が期待されている。


↓↓↓ 購読(電子版・紙版)のお申込みは以下よりお願いします ↓↓↓

ヘルスライフビジネス|株式会社ヘルスビジネスメディア (health-mag.co.jp)

関連記事