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【機能性表示 有識者に聞く】薬事法マーケ・渡邉氏
日本食品エビデンス協会 代表理事
薬事法マーケティング事務所 代表 渡邉憲和氏
機能性表示食品のSR受理960件以上(うちPRISMA2020対応35件以上)の実績を持つ薬事法マーケティング事務所代表の渡邉憲和氏に、新様式での届出において留意すべき点や消費者庁からの指摘事項の傾向、マーケティング上のポイントなどを聞いた。
消費者に視線を向けた商品開発を
―新様式での届出において留意すべき点は。

渡邉 4月からの新様式では、SRにおける「PRISMA2020」準拠が必須となったことが大きな変更点ですが、指摘事項の傾向は昨年度までと変わっていない印象です。
「PRISMA2020」に基づいた届出の受理実績がある企業であれば、むしろ様式変更を適切に行うことが重要になってきます。手引きでは、SR部分にページ番号を付すなど、新たに追加された箇所が複数見られます。
産業界では新様式に関する情報が錯綜しているようですが、まずは届出の手引きや業界団体の留意事項で求められている内容を正確に記載することが肝要です。その上で、指摘を受けたら適宜修正して再届出するという対応が、確実かつ有効な戦略でしょう。
―年1回の事後点検やパッケージの変更、GMP対応の留意点は。
渡邉 事後点検について、昨年度までに届出された製品は、来年3月31日までの提出が必要です。関与成分の分析、機能性・安全性に関する新たな知見の調査など、時間を要する項目もあるため、「まだ半年ある」と油断せず、計画的に対応すべきです。
パッケージの内容見直しについては、「機能性表示食品」の表記を囲む枠が四角であること、文字と背景の色が対照色であること、届出表示の文字サイズに差分がないことなど、細かく厳格にチェックされるので慎重な対応が求められます。
GMP対応については、届出資料ではチェック欄に印を付けるだけですが、製造所がGMPの指針である「3.11通知」の内容に準拠しているかどうか、事前に確認する必要があります。
現在、消費者庁による製造所での実地調査が行われており、GMPに関してどの程度の対応が求められるのか、注視しているところです。
―産業界が今後重視すべき点は。
渡邉 紅麹問題以降、業界全体の視線が消費者よりも行政へと向いてしまっているように感じます。
もちろん、届出が受理されなければ販売できないため、致し方ない部分もありますが、届出が通ったとしても「消費者に届く商品」を作らなければ意味がありません。
新規成分や新規ヘルスクレームでの届出はハードルが高まり、既存製品との差別化も年々難しくなっています。
一方で、既存の成分やヘルスクレームであっても、剤形や風味、嗜好性などの要素を組み合わせることで、競合の少ない新たな市場を開拓できる余地はあるはずです。
そうした意味で、消費者ニーズを見極めた製品の企画立案や販促方法が今後ますます重要となるでしょう。
同時に、産業界では制度見直しを経て品質・安全性や科学的根拠の質向上のためにさまざまな努力を重ねてきました。こうした取り組みを、業界全体として消費者に積極的に発信していくことも大切ではないでしょうか。
―ありがとうございました。
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