液体充填二重構造×耐酸性CPの新技術/ロンザ
ロンザ(神奈川県相模原市)は、ハードカプセル向け液体充填技術「Licaps(リキャップス)」と耐酸性カプセル「DRcaps(ディーアールキャプス)」 を組み合わせることで、機能性成分のリリースタイムをコントロールする技術を確立している。
Licapsは、油脂成分だけでなく水溶液や懸濁液といった幅広い素材をハードカプセル内に充填できる独自技術。乾燥工程が短時間であることから機能性成分の性質も損なわれず、高い機能性と美しい外観を特徴として国内外で多くの採用実績を重ねてきた。
Licapsシリーズには、カプセル内にインナーカプセルと液体を含有する二重構造のハードカプセル「DUOCAP(デュオキャップ)」があるが、DUOCAPと耐酸性カプセルのDRcapsの組み合わせによって機能性成分のコントロールリリースを可能としており、今夏より国内での受託製造を開始した。
それぞれを単独で使用した場合と比較しても優れた崩壊遅延性が確認されており、人工胃液・腸液を用いて①DRcaps単体②インナーカプセルのみDRcapsのDUOCAP③インナー・アウターともにDRcaps、を比較した試験では③の生菌デリバリー(生存率)は①の46倍に達した。

また、MRIを用いた臨床試験では単体のDRcapsは小腸上部で崩壊したのに対し、インナー・アウターともDRcapsを採用したDUOCAPは回腸でインナーカプセルが崩壊することも確認されている。
プロバイオティクス分野を中心に活用が期待される同技術であるが「胃への刺激が強い成分や匂い戻りが気になる成分などからも引き合いを得ている」(担当者)という。
食品開発展では、ブース展示のほか「新技術!耐酸性Licapsで差別化サポート」(15日3時半~)のプレゼンテーションも行う予定だ。