【受託製造工場訪問】広島・ミリアグループ コトブキ湯来工場

2025年10月22日

 ミリアグループ(広島市南区)は、紙パック、中ビン・小ビン、液体・ペースト・ゼリー分包といった各種飲料のOEMを手掛ける。開発は広島本社、営業は東京営業所、製造は関連会社のコトブキ湯来工場(広島市佐伯区)と製販分離体制を整えており、密な連携のもと企画開発から処方設計、製造、納品までスピーディかつきめ細やかな対応を行っている。

名水を用いた飲料・ゼリー製造に注力

 今回訪れたコトブキ湯来工場は広島市の中心部から45分の太田川上流に位置。一級河川の太田川は、環境省・名水百選に選ばれており、「清流の女王」と呼ばれる鮎が多く生息することもよく知られている。同工場では太田川の地下水を製造に用いているが、山根由裕社長は「味わいのよい商品づくりにこの立地は欠かせない」と話す。

 工場の敷地面積は6000平米、建屋面積は製造棟と2つの倉庫を合わせて約2000平米。

健食GMP・HACCP取得で海外実績も多数

 これまでに美容飲料、酢飲料、酵素飲料など多彩な商品の製造実績を持ち、健康補助食品GMPならびにHACCPを取得していることから東南アジアを中心に海外輸出案件も多い。

        豊かな自然に恵まれる湯来工場

 具体的な製造品目は

【紙パック】60角(300・500㎖)、70角(720・1000㎖)、85角(720・900・1800㎖)

【ビン】中ビン(300・500・720・900㎖)、小ビン(30・50㎖)

【三方分包】液体、ペースト、ゼリー(2.5~30g)。

720㎖の紙パックは従来から製造している背の低いタイプに加え、冷蔵庫の扉に収納できる背の高い「スリムタイプ」にも対応でき、久保真一マネージャーは「このサイズを製造できる工場は業界でも珍しい」と言う。

                工場を案内してくれた久保マネージャー

 紙パックの場合、1日最大1万本の生産が可能だ。製造工程は、原料計量(機能性成分や果汁、フレーバーなど約500種類の原料数)→調合→濾過→検査(官能検査や物性値検査など)→濾過→殺菌→濾過→充填→重量チェック→転倒殺菌→冷却→フイルム包装→箱詰め→出荷の順序となり、異物混入を防ぐ濾過工程が細かく設定されている。工程2番目の「調合」以降はすべて機械で自動的に行われ、汚染対策を徹底している。

 また、配管内の残液をこれまでは水で押していたが、エアーで押す方式に切り替えたことで、液ロスを約3割削減することに成功するなどSDGsへの取り組みも目立つ。

 同様に、ビンは1日あたり小ビンで5万本、中ビン1万本の生産に対応。2023年には自動で箱詰めを行う「ラップカートナー」を導入し、生産力を向上させた。

 分包タイプは1日5万本の生産能力を有する。近年人気が高まっており、充填ラインを増設する予定だという。

             2台の大型殺菌機で紙パック・ビンに同時対応

来年ミリアグループは設立20周年、コトブキは設立50周年を迎える。山根社長に今後の展望を聞くと「長年にわたり重ねてきたものづくりのノウハウや強みを生かしながら、今後は市場研究を基とする提案や、顧客へ細やかなサポートができる体制を整えていきたい」と話してくれた。

                      山根社長

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