【連載】「年中夢求」の20年②/ドクターセラム 𠮷川 育矢社長
第2回 シルクフィブロインの確かな機能性
今年2月に創業20周年を迎えたドクターセラム(東京都渋谷区)。絹糸から特殊な技術で抽出された機能性素材・シルクフィブロインの可能性を信じて2005年に独立した𠮷川社長は、約1年の試行錯誤を経てようやく商品化に成功。エステサロンを中心に高い評価を獲得し、早くもヒット商品へと成長した。次なる課題として「確固たるエビデンスの創出」を掲げた𠮷川社長は、1500人規模という他に類を見ない大規模なヒト試験への挑戦を決断する。
1493人対象試験で優れた抗糖尿作用を確認

シルクフィブロインの抗糖尿作用は医療機関との協力で実施した臨床試験によって明らかにされていたが、𠮷川社長は「基準値を上回る数値を下げ、下回る数値を上げる」という医薬品にも見られない特性に着目。大規模なヒト試験でのエビデンス創出を目指した。
「消費者が安心して摂取できるよう、嘘偽りのないデータを取得したかったので、被験者全員と『試験期間中、食事や運動といった生活習慣を一切変えないこと』という覚書を交わした。試験を実施すれば必ず良い結果が出るという確信があったので、不安はなかった」。
さらに、地域による食事や生活習慣の違いも考慮するため、北海道から九州まで41都道府県の医療機関と連携して被験者を募集。約7年間にわたるオープン試験の最終的な被験者数は1493人に及んだ。
同試験では、1か月にわたってシルクフィブロインを1日3回、食前に摂取させたところ、血糖値、HbA1c、中性脂肪、コレステロールなど全9項目のすべてが過半数以上の被験者において改善。シルクフィブロインの優れた抗糖尿・抗肥満作用が明らかになった。
さらに、Ⅱ型糖尿病患者を対象に飲用期間を6か月とした長期臨床試験では、血糖値、HbA1c、中性脂肪などの数値が飲用開始から5か月目で正常値領域にまで低下したことが確認された。
「ヒトの血液は約4か月サイクルですべて新しい細胞に生まれ変わるため、健康食品や医薬品の摂取を初め
てから本当の効果が血液検査に表れるのは5か月目ということになる。今回の試験では、みごとに試験開始から5か月目でⅡ型糖尿病患者における血液検査の数値の改善が認められた」。
同時に、腎機能の状態を表すクレアチニンや善玉コレステロール、尿酸値などが基準値を下回っていた被験者においては、5か月目に正常値領域まで数値が上昇したことも確認され、「基準値を上回る数値を下げ、下回る数値を上げる」というシルクフィブロインの特性が臨床試験でも実証される結果となった。
「価格競争や世の中の流行に巻き込まれない、普遍的に利用してもらえる製品が開発できた」。
<続く>
【バックナンバー】
第1回 シルクフィブロインの開発と研究
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