【連載】「年中夢求」の20年⑤/ドクターセラム 𠮷川 育矢社長
第5回 シルクフィブロインの未来
昨年2月に創業20周年を迎えたドクターセラム(東京都渋谷区)。同社の主力製品であるシルクフィブロインは、1500人規模のヒト試験をはじめ数多くのエビデンスを積み重ねてきたが、今後は腎機能への有効性に着目し、機能性表示食品の届出に向けた臨床試験に挑むという。
「腎機能」で初の機能性表示目指す

シルクフィブロインの機能性については、これまでに本連載でも紹介してきた通り、血糖値・HbA1c・中性脂肪・コレステロールといった数値の改善効果を1500人規模の大規模なオープン試験やⅡ型糖尿病患者を対象とした長期飲用試験などで確認している。
𠮷川社長は「数々のヒト試験を通して、シルクフィブロインには『基準値を上回る数値を下げ、下回る数値を上げる』という特異的な機能が明らかになった。これは医薬品にも見られない特性だ」と話す。
さらに、糖尿病腎症の患者18人を対象とした試験では、1年間にわたって被験者にシルクフィブロインを飲用させたところ、腎臓のろ過機能を表すeGFRの数値が被験者全員で維持されたことを確認。慢性腎不全の治療薬であるクレメジンに匹敵する効果が発揮された一方で、副作用などは認められず、腎機能に対する優れた機能性と安全性が明らかになった。
「糖尿病腎症は悪化すれば人工透析が必要になり、1人当たり年間600万円以上の医療費がかかる。シルクフィブロインを摂取することによって、要治療の手前で踏み止まることができれば、患者本人のQOL向上だけでなく、増大する医療費を抑制する効果も期待できる。まさに『本当の予防医療』だと考えている」(𠮷川社長)。
将来的には「腎機能」に関するヘルスクレームで機能性表示食品の届出にチャレンジするべく、来年にも新たな臨床試験を実施する予定だ。
同時に、新たな製造プラントの開発を含めた安定供給体制の構築にも力を注ぐという。
「近年は世界各国からシルクフィブロインへの引き合いが増えている一方、製造プラントのトラブルなどで一時的に供給がタイトになっている。来年は既存顧客への安定供給に注力しつつ、製造キャパを順次拡大し、予防医療を必要とする世界の人たちに向けてシルクフィブロインを届けていきたい」(𠮷川社長)。
創業から20年にわたって「ホンモノ」を追求し続けてきた𠮷川社長の挑戦は、これからもまだまだ続いていく。
<了>
【バックナンバー】
第1回 シルクフィブロインの開発と研究
第2回 シルクフィブロインの確かな機能性
第3回 シルクフィブロインのエビデンス
第4回 ヴィーナスカレントの誕生
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