「サチャインチ茶」血糖値対策で注目/トキワ漢方製薬

2025年12月11日

ヒトモニターでHbA1cの抑制効果を示唆

わが国における糖尿病の罹患者数は予備軍も含めると2000万人に達するとも言われ、未病段階における生活習慣の改善をはじめとした予防対策の重要性が叫ばれている。そうした中、1日1杯のお茶で手軽に血糖値をケアできる東南アジア原産の健康素材「サチャインチ茶」に注目が集まっているという。日本で初めてサチャインチ茶の輸入および製品化に成功したトキワ漢方製薬(大阪市中央区)に、サチャインチ茶の魅力や今後の展望を聞いた。

サチャインチといえば、南米ペルー原産のスーパーフードとして知られ、オメガ3やタンパク質を豊富に含むナッツをそのまま食べるほか、オイルやプロテインなどの原料にも利用されてきた。

一方、サチャインチは南米だけでなくタイ、ベトナム、カンボジアなど東南アジアでも栽培されるようになり、現地では種子を食するだけでなく、乾燥させた外皮を煮出し、お茶として飲む習慣があるという。

東南アジアでは、外皮を煮出したお茶が肥満や糖尿病に効果があると言われ、民間療法にも利用されてきた。

漢方や生薬を長年取り扱ってきたトキワ漢方製薬では、こうした伝承的に知られるサチャインチ外皮の機能性に着目し、国内で研究を開始。実際にヒトモニターを行ったところ、HbA1cおよび中性脂肪の抑制効果が示唆された。

同社の高橋伸彰社長【写真】は「HbA1cは、医薬品を用いた治療でも簡単に低下させるのが難しいと言われています。一方、ヒトモニターではサチャインチ外皮に熱水を注ぎ、1日1杯飲むだけでHbA1cの低下が示唆されたのです。この結果をもとに、サチャインチ外皮1gをティーバッグに包んだ『サチャインチ茶』を開発し、2019年に販売を開始しました」と話す。

サチャインチ外皮の有効成分や抗糖尿効果の作用機序などに関する先行研究は全く存在しなかったため、学術機関と共同研究を行ったところ、特有の成分としてポリフェノールの一種・ジメチルエラグ酸を含有することが判明。作用機序としては、脂肪細胞の分化や糖代謝に関与する転写因子のPPARγを活性化させる効果が示唆された。

「エラグ酸は機能性表示食品の関与成分にも利用されている有名な成分ですが、サチャインチ外皮由来のジメチルエラグ酸には特有の効果があるのではないかと考えています。1日1包飲むだけで有効性を確認していますので、日常の生活習慣ケアにサチャインチ茶を役立てていただきたいです」(高橋社長)。

現在は、自社製品の販売およびOEMに対応しているほか、熱水抽出エキス末の供給も可能。同社では、手軽に血糖値をケアできる新たな選択肢として、サチャインチ茶のさらなる認知拡大に取り組んでいく方針だ。


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