コロナ禍でリスク高まる「血糖負債」に警鐘

2021年8月3日

HbA1cの認知度「4割未満」との調査も

 一般社団法人日本生活習慣病協会( http://www.seikatsusyukanbyo.com/ )が今春実施した調査によると、8割の医師が「コロナ禍で糖尿病リスクが高まっている」と感じている一方、糖尿病の検査指標であるHbA1c計測について「知っている」と回答したのは一般生活者の4割にも満たないことが判明。同協会では、高血糖の状態が長期間にわたることで糖尿病をはじめさまざまな疾病リスクが高まる状態を「血糖負債」と名付け、一般生活者への啓もう活動に取り組んでいる。

 同調査は、健康診断などで生活習慣病検査結果の傾向を把握している医師100人と、全国の一般生活者3000人を対象に実施されたもの。

 これによると、「コロナ禍で健康診断・人間ドッグの受診が減っている」と回答した医師は約4割に及び、半数以上が「コロナ禍で患者のHbA1c値が悪化している」と答えている。

 一方、一般生活者に対する調査では、4人に1人が「コロナ太り」を実感し、男女ともに30代が最も多い傾向に。

 「最も罹りたくない生活習慣病」は糖尿病が1位だった一方、HbA1c計測について6割以上が「知らない」と回答。基準値を超えた場合のリスクを理解している人はわずか1割だった。

 生活習慣病予防協会では、「血糖負債」をキーワードに、HbA1c知る・測る・コントロールする」重要性を啓発していく考えだ。

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