【インタビュー】ホシケミカルズ 企画開発室 平地祥子氏

2022年3月28日

化粧品業界に影響を及ぼしたコロナ禍の中、生産体制の強化、SDGsに対応した製品作りを行っているホシケミカルズの取り組みを、同社企画開発室広報の平地祥子氏に聞いた

お客様のニーズ、環境配慮に即した製品作りに取り組む

―来期に向けた貴社のお取組を教えてください。

平地 まず一つ目が生産体制の強化です。弊社では現在国内に4つの工場がありますが、5つ目の工場として「埼玉メイクアップ工場」の建設が昨年着工し、今秋に竣工予定です。

 大手で対応していない少ロットの生産も可能ですので、これから化粧品事業に取り組もうと考えている方々のニーズにも対応したいと思います。協力企業と連携することでお客様へ提案できる選択肢を増やせるという強みがありますのでそこを積極的にアピールしたいと思います。

 また、我々のもう一つの強みであるスキンケア、メイク両方の研究で得た技術を生かしたいと考えています。例えばメイクアップの化粧品だけど下地効果に加え日焼け防止や美白ケア効果があるという、スキンケアとメイク効果を併せ持つ多機能な製品作りが得意です。新工場でこの技術を生かした製品を量産できる体制を整えたいと思います。

 もう一つの取り組みが「SDGs」です。原料、容器メーカーと協力して環境配慮を目指した容器包材やトレーサビリティが確保された成分も提案しています 。先ほどお話した多機能の化粧品も、1製品にまとめるということはプラスチック削減にも繋がると思います。

 また、多様な働き方を実現するため、コロナ禍の直後から社員全員がテレワークできるようにスマホや通信機器を準備し社内システムのクラウド化、テレワーク手当の支給、シェアオフィスの手配など働きやすい環境を整えました。

 加えて定年を延長するなど働きやすい環境を整えました。社内には長年培った技術や知見を持った人がいますので、技術継承のためにも取り組んでいきたいと思います。

こうした働きやすい環境を見てもらうことで化粧品業界を志す人へのアピールになると思います。

ヘアケアの需要が拡大する中、刺激が少ない育毛剤の提案を強化

―今後提案していきたい商材はありますか

平地 コロナ禍で頭皮ケアやヘアケアの需要が拡大したこともあり、医薬部外品でノンアルコール(エタノールフリー)の育毛剤を開発しました。

育毛促進、頭皮・髪の保湿、頭皮環境改善などの働きが期待される

 育毛剤はエタノールを配合するものが一般的ですが、肌が敏感でアルコールが苦手な人でも日常で使えるような処方を目指しました 。業界的にもエタノールフリーの製品は少なく、今後積極的に提案していきたいと考えています。

 若い人でも将来薄毛にならないために予防美容の目的で使ってもらえる、手軽で刺激が少ない育毛剤があれば、と考え開発しました。

 昨年9月から受注を開始し採用も着々と進んでいます。既に医薬部外品として承認済みのため、ゼロから開発するより早く商品化できます。

 この他にもコロナ禍の先を見据えて「マスクを外した後の美容」をテーマにした化粧品も構想しています。こうした消費者に必要とされる化粧品を今後も発表していきたいと考えています。

ーありがとうございました。

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