【創立20周年】シクロケム・寺尾啓二社長に聞く

2022年6月21日
【創立20周年】シクロケム・寺尾啓二社長に聞く

「パーソナル化サプリで業界に革命を」

 多機能食物繊維「αオリゴ糖」(α‐シクロデキストリン)の原料供給および研究開発を行うシクロケム(東京都中央区、 http://www.cyclochem.com/ )は、今年7月で設立から20周年を迎える。本紙では、同社のαオリゴ糖に関する研究の集大成ともいえる著書「スーパー食物繊維で不調改善!まったく新しい腸活の教科書」を今年5月に発表した寺尾啓二社長に、αオリゴ糖に関する最新の研究動向と今後の展望、そして同社が現在注力する「パーソナル化サプリ」の構想などを聞いた。

―寺尾社長はαオリゴ糖を「スーパー食物繊維」と表現されてきました。

寺尾 αオリゴ糖には、小型LDLコレステロールの低減作用、糖新生の抑制や糖分解酵素の活性阻害を介した血糖値上昇抑制作用、悪玉脂肪酸の選択的排泄作用など他の食物繊維には見られない機能が発見されています。

 一般的な食物繊維は、数個の糖鎖が無作為に連なった混合物であり、小腸の消化酵素によって分解・吸収されにくいため「難消化性」と表現されますが、一方で大腸の善玉菌にも完全には分解しきれず、一部はそのまま排泄されてしまいます。

しかし、6個のブドウ糖が環状に結合した単一分子の構造を持つαオリゴ糖は、消化酵素には全く分解されない一方、大腸では善玉菌によって100%分解されることが動物試験で判明しました。

これは、環状オリゴ糖の中でも絶妙な安定性を持つαオリゴ糖のみに見られる特異的な性質であるため、私はαオリゴ糖を「スーパー食物繊維」と表現しています。

―今後期待される研究テーマを教えて下さい。

寺尾 αオリゴ糖のもう一つの特性として、脂溶性の物質を環状の構造内に取り込む(包接する)働きがあります。

 近年の研究では、αオリゴ糖を摂取すると消化液中のレシチンを包接し、脂質の吸収を阻害し、「真の悪玉コレステロール」言われる小型LDLコレステロールを抑制することが明らかになりました。

 かつて、LDLは〝悪玉コレステロール〟と呼ばれてきましたが、最近では直径25.5nm以下の「小型LDL」が動脈硬化などの疾病の要因となることが分かっています。小型LDLを増加させる因子は血糖値と中性脂肪ですので、この両方を抑制するαオリゴ糖は、小型LDLの抑制にも効果があると言えるのです。

 現在、当社ではαオリゴ糖を用いて「小型LDLを低減する」機能性表示食品を消費者庁に届出していますが、これが受理されれば非常に画期的なことだと思います。

 また、こうしたαオリゴ糖の特異的な機能性は、国内外の学術機関にも注目され始めています。

 最近では、東京大学・東京農工大学・理化学研究所の共同研究によって、αオリゴ糖が脂質の吸収を阻害することで肝臓での糖新生を抑制し、血糖値の上昇を抑えることが明らかにされました。

 一方、青山学院大学駅伝部の原晋監督らの研究では、αオリゴ糖を摂取すると腸内で短鎖脂肪酸の一種であるプロピオン酸の合成が促進され、持久力を高めることがヒト試験で確認されています。

 いずれの研究も当社の基礎研究をベースとしていますが、今後もこうした研究がさらに広がって欲しいと願っています。

―αオリゴ糖などの機能性成分を活用した「パーソナル化サプリ」の啓もうにも注力されています。

寺尾 健康を維持・増進のために、タンパク質の摂取が重要なのは広く知られるようになりました。

 一方、小腸で吸収しきれなかったタンパク質は、大腸で悪玉菌のエサとなり、腐敗産物の発生で健康に悪影響を及ぼすため、タンパク質の摂取と同時に腸内環境をケアすることが重要です。

 当社が開発したパーソナル化サプリは、プロテイン、αオリゴ糖、酪酸菌、キウイフルーツパウダーをベース成分に、利用者の健康状態や目的に合った成分をトッピングできる仕組みになっています。ベース成分のαオリゴ糖は、大腸で酪酸菌によって酪酸に分解され、腸内を善玉菌優位な環境に保ちます。同時に、αオリゴ糖が酪酸に分解される際に水素が発生するため、全身の活性酸素を持続的に除去する効果も期待できるのです。

 一方、タンパク質分解酵素を含むキウイフルーツパウダーは、小腸でのタンパク質の消化吸収を促進する働きがあります。

 このベース成分にαオリゴ糖やγオリゴ糖で包接・粉末化したトッピング成分を加えることで、パーソナル化サプリが完成します。それぞれの成分を錠剤やカプセルで摂取するとなると費用が高額になりますし、飲み切るのも大変です。一方、パーソナル化サプリはすべて粉末状のため、水や牛乳などに混ぜて容易に摂取できるうえ、コストも抑えることができます。

 私は、こうしたパーソナル化サプリを当社だけでなく、多くの企業に活用してもらうことで、サプリ業界に「革命」を起こせると信じています。

 同時に、健康の維持・増進には適切な運動を行うことも重要になります。

 昨年、当社ではAI搭載のパーソナル化トレーニングマシン「ミロン」【写真】を導入しました。これは、8種類のマシン運動を行うことでAIが利用者の骨格や体力に合ったメニューを瞬時に算出し、より効率的なトレーニングができるというものです。

AI搭載のトレーニングマシン「ミロン」

パーソナル化されたサプリとトレーニングの併用による効率的な健康づくりは、高齢者のフレイル予防をはじめ、国民の健康寿命延伸に必ず役立つと確信しています。

 すでに、パーソナル化サプリメントと「ミロン」を導入した商業施設やススポーツジムも増えています。当社の「サプリメント革命」に共感いただける業界関係者の方は、ぜひご連絡ください。

―ありがとうございました。