高含量化の錠剤成形技術を開発/備前化成

2022年9月21日

標準打錠法では低含量しかできなかった成分の高含量化を実現

 備前化成(岡山県赤磐市☎086-995-3311)は、食品成分を効率よく高含量化させる錠剤成型技術「B-HiT(ビーヒット)」や食品成分を口腔内に長く滞留させる顆粒化技術「B‐MoG(ビーモグ)」、食品成分を消化管の狙った場所へ送達する錠剤化技術「B-ReC(ビーレック)」といった独自の技術を有している。

 通常、錠剤では成分含量が多いほど表面荒れや割れなどが生じる傾向にあるが、同社では、超薄膜を錠剤にコーティングする「マイクロレイヤリング技術」「錠剤処方」「粒子設計」の3つの技法を組み合わせ、成分を効率よく高含量化させる技術B-HiTを開発。これまで標準打錠法では低含量しかできなかったHMB-Caやテアニンなどのアミノ酸類やCoQ10などの脂質類、油脂含有素材などの機能性素材の高含量化を実現した。この結果、摂取推奨量に対する粒数の少量化、ツヤのあるきれいな錠剤化が可能になり、HMB-Caに関しては90%の配合に成功している。

 B-MoGは、コーティング剤で保護された機能性成分と、粘膜との親和性を有する高分子基剤を賦形剤で顆粒化。機能性成分をできるだけ長く口腔内にとどまらせたい口腔ケア製品に対する課題を解決する。

 口臭抑制向けのポリフェノールや歯周病菌予防が期待される乳酸菌など多くの素材がB-MoGで顆粒化でき、100ミクロンオーダーまでの微粒子化や押出造粒、そのままでも使用可能。チュアブルやグミ、ガム、菓子、シリアルなどへも配合できる。

 B-ReC錠は、食品機能成分を小腸上部や下部、大腸でピンポイントに溶出させ効果的に機能を発揮できる技術。「乳酸菌(死菌)を、腸管免疫を持つ小腸下部で溶出する」、「一定濃度以上は体外に排出されてしまう水溶性ビタミンを徐々に溶出させ体内利用を向上」など成分に適した調整ができる。胃では溶出せず、錠剤の形や大きさを自由に設計可能な点も特徴である。

 同社では、これら3つをあわせ素材の機能を最大限に発揮する差別化製剤技術「BIZEN-Technology」とし新商品の開発に提案を強化していく方針だ。

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