イオンタウン23区内に初オープン/イオンタウン

2022年12月19日

 イオングループでショッピングセンター等の都市開発を担うイオンタウン(千葉県千葉市)は、12月17日(土)に全国154目となるショッピングセンター「イオンタウン旗の台」をオープンした。「イオンタウン旗の台」は同社が展開するショッピングセンターとして東京23区内への初出店となる。

〝ヘルス&ウェルネス〟を柱とする都市型SC

オープンのテープカットに立った(左より)イオンタウン社長の加藤久誠氏、地権者代表の伊東武泰氏、品川区商店会連合会の島敏生氏、ビオセボン・ジャポン社長の八木盛之氏、ウエルシア薬局社長の松本忠久氏
オープン前には行列も

「イオンタウン旗の台」は東急大井町線・池上線で大井町・五反田・自由が丘まで10分ほど、周辺に商店街や住宅地が広がる「旗の台駅」東口改札前に位置し、調剤薬局併設型ドラッグストア「ウエルシア薬局」や内科・耳鼻咽喉科・歯科などのクリニック、イオンタウン初出店となるオーガニックスーパー「ビオセボン」、ファーストフードの「マクドナルド」が出店。都市型ショッピングセンターとして利便性を重視した機能をコンパクトにまとめ、「ヘルス&ウェルネス」に重点を置いた施設となる。

 東京23区内初のイオンタウンとなる同施設は、国産木材の利用や敷地内緑化により、環境に配慮した〝ぬくもり〟や〝癒し〟を感じられる空間を創出。脱炭素社会の実現を目指し太陽光発電設備の屋上導入や、CO2フリー電機の活用により、使用電力の100%を再生可能エネルギーで賄う。

 また、品川区商店会連合会との連携、東京都と締結した「子供を守る事業者連携事業に関する覚書」に基づき、防犯対策及び地域全体で犯罪から子どもを守る社会機運醸成に向けても取り組む。

イオンタウンの富澤部長

 オープンに際し記者会見に臨んだイオンタウンの営業本部 関東事業部 事業部長の富澤照彦氏は「旗の台駅前の東口の一角として〝ヘルス&ウェルネス〟の提供はもちろん、地域連携、各種イベントにも積極的に参加し、活用してもらえる地域に寄り添ったショッピングセンターを目指す」と示した。

 23区内初出店に関して「『イオンタウン旗の台』は我々が手掛ける『イオンタウン』として最小の敷地面積(1,229㎡)。今後予定しているイオンタウンの都市型シフトの試金石となる。千葉の幕張に昨年オープンした『イオンタウン幕張西店』での〝ヘルス&ウェルネス〟の躍進が大きなきっかけとなった」と富澤氏は新たなチャレンジであることを明らかにした。

 来場者数目標は平日1600人、休日2400人を見込む。富澤氏は「駅前に隣接する商店街のため、平日と休日の往来にそれほど差はない」とし年間来場者数の目標を68万人としている。

商店街に掲げられたオープン告知の幕

 商店街にイオンのショッピングセンターが進出することについては「2019年より地権者、商店街と話を進めてきた。我々の出店意欲を理解してもらい、地域住民のニーズを満たすアプローチが光り、オープンに際し商店街のアーケードにオープンの旗が掲げられるまでになった。年末には商店街でクリスマスの抽選会があるが、ウエルシアさんとビオセボンさんも参加されるなど、地域と良い関係性を築いている」と語った。

近隣病院、入居クリニックの専門性高い処方箋に応需

ウエルシア薬局の松本社長

 出店する「ウエルシア イオンタウン旗の台店」は、「イオンタウン旗の台」の近くに昭和大学院付属東病院があり、往来の多い駅前に位置するため、多様な処方箋ニーズにも応需する。「病院が近いことは人口の数が多いため、調剤薬局併設ドラッグストアの出店は大きな意義がある」(富澤氏)。

入口近くには調剤窓口と健康商品売場が

 オープンに際しテープカットに臨んだウエルシア薬局 代表取締役社長の松本忠久氏は「昭和大学と連携をし、専門性の高い処方箋に対応する準備がある。また、入居するクリニックのレベルの高い処方箋にも応需し、処方箋枚数5000枚も視野に入れている」と自信をのぞかせる。薬剤師2・5人、医薬品登録販売者5人、総スタッフ20人で、4つの調剤カウンターを店内入口に設け、病院・クリニックの処方箋ニーズはもちろん、日用品・化粧品など生活者の利便性向上に対応する。

大きな冷ケースで食ニーズにも応需

 来場客にインタビューしたところ「もともとここは駐車場があり、良い場所なのにもったいないと思っていた。ドラッグストアも一駅先までいかなくてはならず、シャンプーやトイレットペーパーが近くで買えるのは嬉しい」「解熱鎮痛剤や抗原検査キットなど、駅の行き・帰りで相談できて購入できる場所がやっとできた」と喜びの声が挙がった。

オーガニック認証の商品で新しい買い物体験を提供

ビオセボン・ジャポンの八木社長

 オーガニックスーパーの「ビオセボン 旗の台店」はイオンタウン初出店。

記者会見に臨んだビオセボン・ジャポンの代表取締役社長の八木盛之氏は「旗の台駅前はスーパーも少なくない立地だが、人口密度も高く、かつ落ち着いた土地でもあるため我々が提供するオーガニック商品のニーズは高いとみている」と話す。「例えばオーガニック飲料の『イソラビオ』はオーツ麦のブームも後押しし、若年層にも響いている。また、オーガニックのベビーフードを病院食や介護食に応用する動きもあり、病院近くの立地を活かせる」と語り「オーガニック商品は、一般の商品に比べ高価格ではあるが、生活者はオーガニックを価格で選ばない傾向にある。19年対比で150%増を達成していることからも、オーガニックのニーズは引き続き安定して伸びるだろう」と示した。

店内を案内する枝川部長
ナッツ・ドライフルーツの量り売り場に足を止める生活者

 「ビオセボン 旗の台駅」ではオーガニック認証の商品が約10%を占め、旬の野菜や総菜、ナッツ・ドライフルーツの量り売り、有機チーズや国内トップの品ぞろえを誇る植物性ミルクなどを中心に展開。店内を案内してくれたマーケティング部部長の枝川和佳子氏は「一般的なスーパーと比べ回遊時間が長く、接客を強化し新しい買い物体験を提供していきたい」と話す。

入口には有機野菜のコーナー

写真奥の白い建物が昭和大学院病院
名 称イオンタウン旗の台
所 在 地東京都品川区旗の台2丁目7-2
敷 地 面 積1,229㎡
延 床 面 積2,041㎡
総 賃 貸 面 積1,690.39㎡
駐 車 台 数2台
駐 輪 台 数76台
店 舗 数/構 造8店舗/鉄骨造り3階建て
従 業 員 数約150人
基 本 商 圏半径1km圏、世帯数約41,300世帯、人口約73,400人
施設概要