αオリゴ糖「小型LDL低減」で機能性表示対応/シクロケム

2023年6月21日

未病段階での小型LDL対策を訴求

シクロケム(東京都中央区)は今年4月、αオリゴ糖(α‐シクロデキストリン)を関与成分に「小型LDLの低減」を訴求する機能性表示食品が消費者庁に届出受理された。LDLコレステロールに関する機能性表示食品は多数受理されているが、「小型」に限定した表示は本製品が初めて。

一般的に、LDLは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、動脈硬化や冠動脈疾患を引き起こすリスク因子だと考えられてきた。一方、近年はLDLの中でも直径25.5㎚以下の「小型LDL」こそ〝真のリスク因子〟であることが指摘されており、実際に1万人規模のコホート研究でも小型LDLと冠動脈疾患との相関関係が認められている。

2021年には、小型LDLの検査法が体外診断用医薬品として承認されており、日本動脈硬化学会では同検査を保険適用とするよう厚生労働省に提案を行うなど、医療や製薬の分野でも小型LDLをリスクマーカーとして評価すべきとの見方が強まっている。

同社としてもαオリゴ糖を活用した未病段階での小型LDL対策を訴えていくとともに、BtoBの顧客に対しては機能性表示食品のシステマティックレビュー提供にも対応していく。

青学大などの研究で運動機能向上作用が明らかに

また、αオリゴ糖に関する新知見としては、青山学院大学や慶應義塾大学などの研究グループがαオリゴ糖の摂取による持久運動パフォーマンスの向上効果を論文発表し、話題となった。

同研究では、青山学院大学陸上部に所属する長距離走ランナーの男性48人の腸内細菌叢を解析したところ、同年代の男性よりも善玉菌の一種であるバクテロイデス菌が多く棲息することを発見。さらに、3000m走のタイムとバクテロイデス菌の棲息数に相関関係があることを確認した。

そこで、バクテロイデス菌増殖作用を有するαオリゴ糖を日常的に運動習慣のある男性10人に摂取させたところ、エクササイズバイクのタイム向上や運動後の疲労感軽減などが報告され、αオリゴ糖の摂取が運動パフォーマンス向上に有効であることが明らかになった。

なお、その作用機序については、シクロケムが過去に実施した研究に基づき、αオリゴ糖が腸内のバクテロイデス菌によってプロピオン酸に分解され、肝臓でのグリコーゲン生成や糖新生を促進したためだと結論付けた。

こうした研究成果を生かし、αオリゴ糖のさらなる認知拡大に取り組んでいく考え。