「食と健康」実証実験を報告①/JACDS

2022年8月25日

消費者庁も参加しDgSでの健食表示に一つの回答示す

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、8月19日に開催された「第22回JAPANドラッグストアショー」のセミナーでドラッグストア店頭における「食と健康」実証実験の結果報告を行った。

注目度も高くセミナー会場は満席に

 実証実験を推進するJACDSの街の健康ハブステーション推進委員会は、2021年度の活動テーマに「食と健康の市場創造・マーケットの拡大(「食と健康販売マニュアル」の活用等)」を掲げており、保健機能食品を柱とした食品の店頭における新表示を用いた売場づくり〝食と健康実証実験〟を行っている。

6企業16店舗で「免疫サポート」など実施

実証実験はJACDSが2020年6月にまとめた「食と健康販売マニュアル」および健康食品の販売方法、情報提供等に関する自主基準に基づく店頭表示物(ピクトグラムを用いたPOPやトップボードなど)を作成し、消費者庁の確認を得て2022年3月から6月にかけて行われた。

  • 実証実験内容

・「食と健康マニュアル」に基づく売場表示物の設置

・機能別陳列、表示による生活者の購買行動や相談内容の変化等の検証

  • 実験店舗と実験期間・実施テーマ

・実験店舗:6企業(ウエルシア・トモズ・サンキュードラッグ・ココカラファイン・スギ薬局・マツモトキヨシ)延べ16店舗。

・実施テーマ:免疫サポート・お腹サポート・睡眠サポート・ストレスサポート・認知サポート

  • 実証実験の効果検証

・新表示による購買動向(相談回数と内容等)の変化

・カウンセリング販売とセルフ販売における情報提供のノウハウ

・単品、カテゴリー数値、売場効率の検証

ボードでヘルスクレームを区別

一般食品との線引きも

「食と健康」実証実験で作成した売場表示物は「トップボード」「帯POP」「区分表示(大・小)」「訴求POP」「リーフレット」「ハイトップボード」の6種が用意された。

             売場表示物の展示例

 「トップボード」は実証実験テーマに合わせ「免疫サポート」「睡眠サポート」など5種を用意。また「帯POP」には前述の5種に「一般食品」「日用品」を加えた7種。

「トップボード」は、棚の上に設置して何をサポートする売場なのかを示すものだが、その棚の全てを保健機能食品で陳列することができない場合は、消費者が一般食品や日用品と保健機能食品を誤認しないように「一般食品」「日用品」の「帯POP」で区別できる。

 「区分表示(大)」も同様の理由から7種類が作成された。

 「区分表示(小)」は、トクホ、機能性表示食品、栄養機能食品を分けるもの。「訴求POP」はトクホならば許可教示、機能性表示食品ならば届出情報を抜粋せずに記載し、消費者へ正しい情報を伝えるため用意された。

ピクトグラムで訴求でき店頭視認性が向上

ドラッグストアショー会場では実際の展示も

 今回の実証実験は消費者庁に表示物の確認をとり、その上で実験店舗所在地の保健所にも実験の趣旨を説明した上で行われた。その中で「免疫サポート」などの文言の他に、ピクトグラムを使用することができたのは、今後につながる画期的なことだと同委員会は捉えている。

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