ベトナム1号店に見るアジアNO.1ドラッグストア」への地図

2021年4月19日
ベトナム1号店に見るアジアNO.1ドラッグストア」への地図

ベトナム1号店に見る「アジアNO.1ドラッグストア」への地図

――マツモトキヨシHD

マツモトキヨシHDは今年2月にココカラファインとの経営統合契約を締結、10月より「マツキヨココカラ&カンパニー」として新たな一歩を踏み出すこととなった。経営統合に関する記者会見で松本清雄社長は、経営目標として2026年にグループ売上高1.5兆円達成を掲げ、「美と健康の分野でアジアNO.1を目指す」とした。具体策として「美と健康の意識が高まるアジア地域への事業基盤を確立する」としている。同社は2015年にタイ・バンコクへの海外1号店オープンを皮切りに、2018年には台湾へ出店するなど早くからアジアを視野に入れてきた。昨年10月にはベトナム・ホーチミンに進出し、「アジアNO.1」目指すマツモトキヨシHDはどのような視点でアジア市場を見つめているのか。

今年10月に経営統合を果たすマツキヨココカラ&カンパニーは、国内シェア拡大だけでなく、「美と健康の分野でアジアNO.1」を目指す。早くからアジアを視野に入れてきたマツキヨHDにとって統合は強力な推進力となる。

同社は、新型コロナウイルスにより日本政府から発出された出入国制限の解除後を念頭に、海外SNSを活用した情報配信やキャッシュレス決済対応など、アジアを中心とした海外店舗展開やグローバル会員獲得に向けたしくみ作りや、海外で支持される商品の開発・提供などに積極的に取り組むことで蓄積されたノウハウを最大限に活用して美と健康への意識が高まっているアジア地域における事業基盤を早期に確立することを目指している。

海外での新規出店に関しては、昨年10月にベトナム・ホーチミンに1号店となる「マツモトキヨシビンコムセンタードンコイ店」をオープンし、昨年12月までの海外店舗数は、タイ30店、台湾15店、ベトナム1店の計46店となっている。昨年11月には「無印良品」の良品計画が東南アジア最大規模のベトナム1号店を、12月には吉野家HDも1号店をホーチミンに出店している。

これらに先んじて出店したマツモトキヨシベトナム(MKベトナム)は、健康食品や化粧品、衛生用品、日用品、食品などを取り扱っている。MKベトナムの担当者に取材したところ、「オープンから約半年が経ちましたが、日本製品に対する信頼感から、低所得者層から中所得者層のニーズが高まっています。また、訪日経験のある富裕層のお客様からは『やっと正規の店舗をオープンしてくれた』との声をいただいています」とのことだった(担当者)。

特に人気が高いのは化粧品と健康食品だという。

「ベトナムの生活者はスキンケア意識がまだ醸成されておらず『毎朝洗顔する人は約25%』とのでータもあります。また、都市部ではバイク通勤がメジャーで、毎朝ヘルメットをかぶり、サングラスを着用、さらに感染症対策のマスクもするため、スキンケアやメイクの文化が根付きづらい面もあります。ですが、SNSなどでスキンケアやメイクが紹介される機会が増え、マーケットが広がる予兆は感じられます。ベトナムのスキンケア市場は75%の伸びしろがあると考えられます」(担当者)。

ホーチミンは気温が高く、半袖で外出する機会が多いため、日本製のスキンケア商品販売でUVケアの意識情勢のチャンスがあるという。MKベトナムはメイドインジャパン製品を皮切りにスキンケアやメイクの文化を根付かせる狙いを持っている。

健康食品のニーズ拡大の兆候も表れている。「『ダイエット』などの悩み別に訴求する棚に足を向ける意識や文化がまだ醸成されていないように感じます。その反面、素材や成分で商品を選ぶ傾向にはあります」(担当者)。

具体的にはオリヒロとDHCの製品だ。「オリヒロの素材別の商品ではグルコサミン、スピルリナ、クロレラ、青汁が突出して人気が高いのです。また、DHCのサプリメントも好調で、今後はより具体的なカテゴリーにスイッチができれば、市場はさらに拡大するでしょう」(担当者)。

レギュレーションの違いで医薬品の展開が難しいベトナム市場において、日本発のドラッグストアの強みになるのがセルフメディケーションであり、予防に役立つ栄養補助食

品の展開を広げる市場創造だ。「現在、ベトナムの平均寿命は30代といわれています。経済成長を経て、今後10~20年で、ベトナムも日本と同様に高齢社会に突入すると予想されます。そのときに支持されるドラッグストアになるために先手を打つ必要があります。マツモトキヨシHDが日本で行ってきた『美と健康を育てる』ために、今後3~5年でベトナムに10~15店舗を展開する予定です」(担当者)。

ベトナムの総人口は現在9,620万人だが、出生率は少子化のレベルに低下し、将来の人口増加率の低下に影響するとみられている。今後10年間の年間人口増加率は1%未満と予想され、高齢化だけでなく、労働力の低下に劇的な影響を与え、新たな社会問題に発展する可能性が高いとみられている。