シンガポール、食品製造事業者の安全認証制度改定へ

2021年11月17日

シンガポール、食品製造事業者の安全認証制度改定へ


 シンガポール食品庁(SFA)は10月24日、食品製造事業者や外食業者を対象に、消費者により良い食品安全保証を提供する食品施設の安全保証「SAFE(Safety Assurance for Food Establishments)」と呼ばれる安全性に対する新しい認証制度を実装することを公表した。

食品施設は最長10年の営業許可を受ける

 SAFEでは、食品の安全保証の優れた実績を示し、より良い食品安全基準を確保するための機能とシステムを備えている食品施設に対して、より長いライセンス期間とより高い評価を与えるとしている。SAFEの実装は、2023年1月1日以降の予定で、小売および非小売食品施設全体に適用され、推定23,000の食品店がこの枠組みの対象となるとしている。

 これまで食品施設では食品安全性能に関するスナップショット評価に基づいて、毎年「A」「B」「C」または「D」のいずれかに評価されている。SAFEが実装されると、食品施設は「ブロンズ」、「シルバー」、「ゴールド」または「評価なし」で区別される。一定期間にわたって主要な食品安全が失効していないなどの優れた実績があり、食品衛生責任者(FHO)、高評価のFHO、および食品安全管理システムの要件を満たすことができる食品施設は、ゴールド(10年)、シルバー(5年)、ブロンズ(3年)のいずれかの評価(営業許可)を得る。

 食品施設は食品安全保証の実績に基づいて、来年、評価の段階について通知される。食品事業所には、2023年にこの制度を実装したときに、食品安全管理システム(FSMS)を採用し、ハイレベルなFHOを任命するなど、必要な要件を実装するための十分な時間が与えられる。各食品施設は以下の3つのカテゴリーに区分される。


カテゴリーA:食品安全リスクが高い重要な食品の取り扱いに関与している食品施設(温度管理された条件下での食品の準備、加工、保管;ケータリング、レストラン、食品メーカーなど)

カテゴリーB:中程度の食品取り扱いおよび食品安全リスクの低い食品の貯蔵などに関与している食品施設(パン屋、食料品店、冷蔵店など)

カテゴリーC:最小限の食品取り扱いおよび食品保管に関与し、食品安全リスクがごくわずかである食品施設(フードコート、食堂、スーパーマーケットの主な運営者)


 カテゴリーAおよびBの食品施設は、食品安全保証を強化するための能力およびシステム(食品衛生/上級食品衛生責任者の任命およびFSMSの採用など)を導入し、食品安全保証の優れた実績を示すことでより長いライセンス期間の対象となり、より高い評価を授与される。カテゴリーCの食品施設は、食品安全保証の優れた実績を示すことでA、Bと同様により長いライセンス期間の対象となる。

 また、SFAはこの制度をサポート・補完するためのトレーニング制度も実装。食品安全コース(FSC)として知られる4つのレベルで構成され、研修生がレベルを進むにつれてカリキュラムが増加する。

 食品管理局長兼SFA副最高経営責任者のタンリーキム博士は、「新しい制度であるSAFEは、食品施設の食品安全および衛生基準のスナップショットを反映する年次評価監査と比較して、食品施設の継続的なパフォーマンスを考慮に入れている。これは、食品安全保証における食品会社の一貫した取り組みをよりよく表しており、消費者がより多くの情報に基づいた選択を行えるようにすることができる。食品の安全を確保することは共同責任であり、SFAが規制システムを導入して食品の安全を確保するための環境を実現していても、食品業界でも優れた食品安全基準を維持する上で積極的に役割を果たす必要がある」と話している。

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