コメ消費拡大と質向上目指す/JAHI

2021年12月14日

「お米で健康イニシアティブ」設立を宣言

 一般財団法人日本ヘルスケア協会(JAHI)は都内で記者会見を開き、9月に新設された「お米で健康推進部会」による「お米で健康イニシアティブ」の設立を目指すことを明らかにした。

 「お米で健康イニシアティブ」は国民運動の実践組織として、広範なメンバーを擁する外部委任組織(イニシアティブ)を立ち上げキャンペーンを展開する。

 コメをめぐる日本の状況は、生産、流通、消費の全般にわたり、既に危機的な状況に至っている。コメの消費量は1962 年をピークに減少傾向にあり、1970年から2017年までおよそ50年にわたって実施された「減反政策」などの生産調整も需要減に追い付かず、コメの価格が底割れするような事態に陥っている。

 2000年代以降、国が主導した健康推進運動として「メタボキャンペーン」があり、肥満や内臓脂肪のリスクに対する国民の理解を広げたという点で大きな意義があったが、反面で行き過ぎた糖質制限や主食であるコメを悪者扱いするような傾向を生み出した。

 「お米で健康推進部会」はこのような傾向が国民の健康基盤そのものを毀損する可能性があるという強い危機感から発足された。

左より)加藤事務局長、柏原部会長、今西会長、上杉副部会長

 部会の目的は、コメの健康効果の研究を推進し、より健康効果を高める食べ方を普及することにより、国民の健康レベル向上と健康寿命の延伸に貢献することにある。この目的を速やかにかつ大規模に展開するため、「お米で健康イニシアティブ」を設け、糖質制限ダイエットの問題点を探り、かつアカデミアにおける研究者・理解者の増強を図りながら、コメ消費の量の拡大と質の向上を目指す。

 記者会に登壇した今西信幸会長は「全人口に占める高齢者の数が世界各国と比較しても群を抜いている日本だが、逆を返せば〝健康長寿に最も成功した国〟と言える。その日本人の食生活を支えてきたのがお米であり、そのお米の確かなエビデンスを確立することが重要だ」と話した。

 続いて部会より「わが国のコメ市場への逆風への対策と、お米の健康効果の普及啓発」をテーマに講演が開かれ、部会長の柏原ゆきよ氏(日本健康食育協会・代表理事)、副部会長の上杉登氏(ケーツーコミュニケーション執行役員)、事務局長の加藤芳男氏(次世代FVC研究所事務局長)が、日本のコメ市場の現状と課題を語った。