新素材、ペンタデシル含有オーラン油を上市

2022年1月31日

小胞体ストレスの改善効果に期待/シー・アクト


 シー・アクト(東京都千代田区)では、国産の微細藻類オーランチオキトリウムから抽出したオイル「ペンタデシル含有オーラン油」の本格的な原料供給の準備を進めている。現在、少量での相談が可能だ。

 オーランチオキトリウムに含まれているペンタデシル(R)は、ペンタデカン酸を主に含有する飽和脂肪酸によって構成されるトリグリセリド。同品は、ペンタデシルを1/4程度含有しているほか、DHAやEPAなど豊富な機能性成分も含まれている。

微細藻類 オーランチオキトリウム

 ペンタデシルは、現在、健康機能の研究分野の一つとして注目されている「小胞体ストレス」を改善する効果が期待されており、マウスへの経口摂取による動物試験では、角質水分量の上昇、皮膚水分蒸散量の減少が有意に示唆されたことを確認。また肌細胞でも美肌効果の有意性が確認されており、美容向けとして化粧品での採用ケースもある。

 また、マウスの膵臓β細胞において、高グルコース刺激下ではインシュリンの分泌を有意に誘導し、低グルコース刺激下ではインシュリン分泌は誘導しないことを確認。また、ペンタデシルを経口摂取した場合、糖負荷後における膵臓β細胞ノックアウトマウスでは、正常マウスと同様にインシュリンが分泌され、血糖値の上昇がおだやかになり、耐糖能を示すことが分かった。ペンタデシル摂取群のノックアウトマウス膵臓β細胞の小胞体ストレスの評価マーカーを測定したところ、小胞体ストレスを緩和にすることで糖負荷後の血糖値の上昇をおだやかにすることが分かり、耐糖能の改善効果も小胞体ストレス改善による効果と示唆された。

 現在は、機能性表示食品も視野に入れ、ヒト臨床試験の準備も進めるほか、新たな機能性に関する研究にも力を入れている。

関連記事