食品、化粧品向けにヌクレオチドを提案/ヤマサ醤油

2023年1月10日

乳幼児から成人向けまで幅広い用途に期待

 醤油製造の大手メーカーであるヤマサ醬油(千葉県銚子市)では酵母核酸由来のヌクレオチドを供給している。

 ヌクレオチドは母乳に含まれる免疫細胞を活性化させる成分の一つで、ヤマサ醤油のヌクレオチドは、20年以上前から栄養強化剤として乳幼児ミルクにも採用実績がある。成人を対象にした試験でNK細胞活性化、血清IgA量の増加といった働きも確認されており、乳幼児だけでなく成人の免疫サポート素材としても注目されている。

 低分子で水に溶けやすいため、幅広い剤形に対応している。原料としての使いやすさと機能性が注目され、採用を検討する企業も増えているという。

 同社では現在5つのヌクレオチドを供給し、食品から化粧品まで幅広い用途での採用が期待されている。

 ヌクレオチドの一つである「‐UMP(ウリジル酸)」は、経口摂取の後に体内で速やかにウリジンに変換される。ウリジンは血液脳関門を通過して脳内での主要なピリミジン源となり、ホスファチジルセリンなどリン脂質の合成に不可欠なシチジン三リン酸となる。「5´‐UMP」の経口摂取により、脳内のリン脂質や神経伝達物質のアセチルコリンが増加し、マウスの学習記憶が改善することが確認されている。ヒト試験による認知機能改善作用も明らかになっており、「5´‐UMP」摂取群とプラセボ摂取群による認知機能試験では、摂取12週間後において神経認知インデックス、記憶力、注意力のスコアで有意差が確認された。

 同社では現在、「5´‐UMP」を用いた機能性表示食品としての届出を目指し、準備を進めているという。

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