ウェルエイジング素材「ウロリチンA」提案強化/ダイセル

2023年6月7日

サーチュイン遺伝子とオートファジーの両方を活性化

ダイセル(東京都港区:daicel.com)は、「サーチュイン遺伝子の活性化」と「オートファジーの誘導」の両作用から抗老化に働く、ザクロ由来の腸内代謝物・ウロリチンAを供給している。

ザクロに含まれるポリフェノールの一種・エラグ酸は、経口摂取すると腸内細菌によってウロリチンAに代謝され生体内に作用する。しかし、ウロリチンAは腸内細菌叢の状態により産生能力に個人差があり、同社での調査では、産生できる人は約半数に留まることが判明。ウロリチンAとしての摂取がより効率的であると考えられる。

ダイセルでは、ウロリチンAを生産する腸内細菌を同定し、独自の嫌気性発酵技術によりウロリチンA含量を規格した食品素材の量産に成功。なめらかに年齢を重ねるためのウェルエイジング素材として、ウロリチンA含有素材「ウロリッチ」の提案を強化している。

同素材の最大の特徴として、サーチュイン遺伝子の活性化だけでなく、オートファジーの一種であるマイトファジー(老化したミトコンドリアの除去)を誘導する作用を持つ。また、サーチュイン遺伝子はSIRT1、3、6に対して働きかけ、他素材と比較しても強い活性作用を持つ。

最近では、ミトコンドリアの“活性化+古いものを捨てる”といったイメージ戦略を狙った採用も増えている。

また同社では、ウロリチンAが身体部位に及ぼす機能性の探求も進めている。最新の研究では、ヒト試験において、ウロリッチの摂取による、血管内皮機能の改善(FMD検査)やゴースト血管の長さ、濁りの改善がみられた。このほか、男性型脱毛症を引き起こす5α-レダクターゼの阻害活性、ヒアルロン酸産生促進、メラニン産生抑制、皮膚水分量の増加(ヒト試験)、骨吸収の抑制、脂肪滴生成抑制などを確認。これらの研究成果が評価され、令和5年度日本栄養・食糧学会技術賞を受賞し、先月に開催された学会大会では受賞講演を行い、学術者からも注目を集めた。

今後は、参画している「日本オートファジーコンソーシアム」と連携してオートファジーの消費者の認知度向上、社会実装も目指しつつウロリチンAの需要拡大を狙う。

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