【インタビュー】酵母ペプチド「DNF‐10」について聞く

2023年6月19日

韓国ネオクレマ―社 CEO ハン・ギス氏、

韓国高麗大学 ソ・ヒョンジュ教授

(リード)

 ヘルシーナビ(東京都大田区)とビーエイチエヌ(東京都千代田区)は、食欲抑制と脂質合成抑制を併せ持つ酵母ペプチド「DNF‐10」をダイエット向けに展開しており、機能性表示食品についても今秋をメドに届出予定だ。このほど同素材の製造元である韓国ネオクレマー社CEOのハン・ギス氏(写真㊧)、同素材の開発者である韓国・高麗大学保健科学部バイオシステム医学学科のソ・ヒョンジュ教授が来日。ネオクレマー社と「DNF‐10」について聞いた。

(本文)

―韓国ネオクレマー社について教えてください。

ハン氏 新しい市場を開拓するという意味を持つネオクレマー社は1999年に設立され、①健食素材、②プレバイオティクス、③培養肉、④介護食、⑤医薬品、⑥OEMといった健康をコンセプトにした6つの領域で事業展開しています。昨年7月に韓国のエンターテイメント企業であるチョロクペム社の傘下となりました。同社は80人ほどの芸能人とマネージメント契約を結んでおり、韓国ドラマの企画や制作をはじめ外食事業なども手掛けています。健康領域への関心も高く、健食の販売会社を今後立ち上げ、所属の芸能人やマスメディアを用いた消費者向けの既存ルートで、健食や健康機器の販売も予定しています。

―「DNF‐10」の販売状況および研究動向は。

ハン氏 2008年に上市した「DNF‐10」は韓国市場のほか、日本ではサプリメントやゼリー、欧米ではサプリ、スティック粉末、バーなどのダイエット向け商品で採用されています。日本市場においては機能性表示を視野に入れた取り組みが進められ、機能性表示届出受理に伴う新規顧客獲得にも期待しています。

ソ教授 「DNF‐10」はこれまでに、食欲抑制、脂質合成抑制、体重と皮下脂肪の減少などを確認してきました。近年は、同素材の機能性物質の解明に取り組み、「DNF‐10」に含まれるMTCAという物質が脂肪の蓄積に対して効果を発揮することが判明しました。MTCAの分析法についてもすでに確立しており、今後は同成分を高含有した「DNF‐10」のアップグレード品の素材開発も視野に入れています。

―「DNF‐10」の今後の取り組みについて。

ハン氏 この数年、機能性物質の解明や安全性データの蓄積など「DNF‐10」を新たな市場で展開するための準備を進めてきました。今後は、日本で機能性表示食品の届出受理、韓国で個別認定型健康機能食品の取得を視野に入れているほか、米国でGRAS認証、欧州でノベルフードの取得を目指しています。

ソ教授 被験者数を増やしたダイエット関連の新規臨床試験を来年韓国でスタートさせるほか、欧米市場からのニーズが高いガムやキャンディーへの応用、韓国高麗大学で実施した「DNF‐10」の睡眠効果に及ぼす影響の研究を進めていきます。 

―ありがとうございました。