【インタビュー】金秀バイオ・知念三也社長

2023年9月28日

「沖縄県産素材の魅力を世界に発信」
金秀バイオ 代表取締役社長 知念 三也氏

オキナワモズク由来フコイダンやウコン、長命草をはじめ、沖縄県産素材を活用した健康食品の製造・販売を行う金秀バイオ(沖縄県糸満市)。9月10日に創業35周年を迎えた同社では、流通業や観光業を手掛けるグループ会社の金秀商事で社長を務める知念三也氏が社長に就任し、国内外での更なる売上拡大に向けて新体制が始動した。本紙では、知念新社長に昨今の業況やグループ企業とのシナジー創出に向けた取り組み、今後の展望などを伺った。

―昨今の業況や注力ポイントを教えて下さい。

知念 コロナ5類移行後、旅行需要の高まりなどから、沖縄県内の景気は回復の動きが強まっております。当社では去った23年3月期の決算でコロナ前を上回る売り上げを達成することが出来ました。コロナ禍で免疫力に対する関心が高まり、当社のオキナワモズク由来フコイダンの機能性を国内外で注目していただけたことが大きいです。

当社は金秀グループ11社の中でも売上規模こそ大きくありませんが、健康産業という市場の成長性を考えると、グループ内でも伸び代の大きい分野として期待を寄せられています。

また、金秀グループが展開している流通業や建設業といったビジネスの多くは沖縄県内で完結しますが、当社ではアジア圏を中心に海外にも販路を持っており、大きな成長が期待できますので、こうした強みを生かしてビジネスを拡大していきたいです。

―金秀商事の社長と兼任されていることによるシナジー効果について。

知念 金秀商事では、県内にスーパーマーケットを61店舗、ドラッグストアを5店舗展開していますが、こうした販路を生かすために、当社としては量販店向けの新製品開発や既存製品のリニューアルを進めています。

また、金秀商事が持つ一般食品や飲料メーカーとのネットワークを生かし、自社原料の提案も行っていく予定です。特に、今年はコロナ禍が落ち着いたことで沖縄県を訪れる外国人旅行者も目立つようになりました今後はこうした需要を取り込むべく、金秀商事との連携をさらに密にして参ります。

―今後の展望を。

知念 最近では、ラビリンチュラやナンノクロロプシスといった微細藻類を新規素材として研究開発に注力しています。現在は自社製品での展開をメインとしていますが、今後は原料供給やOEMを拡大できるよう、生産能力をさらに強化していきます。

また、独自のナノ化技術を生かした製品開発も進めており、来年にかけて製造設備をさらに増強する予定です。将来的には原料の受託加工も取り組んでいきたいです。

海外に関しては、昨年はフランスで行われた展示会に出展したほか、今年8月にはインドの展示会にも初出展しました。いずれも非常に反応が良かったと聞いています。

こうした活動を通して、豊かな自然と温暖な気候が育んだ沖縄県産の健康食品の魅力を世界に発信して参ります。

―ありがとうございました。