寿命短縮抑制効果など新発表/SAC研究会
ニンニクに含まれる機能性成分・S‐アリルシステインの認知度向上を目的として啓もう活動を行うSAC研究会は、第2回となる研究集会「解明進むニンニク成分『S‐アリルシステイン(SAC)』の機能性最新報告」を開催した。
基調講演は、研究会会長の同志社大学大学院生命医科学研究科・市川寛教授による「外因性一重項酸素による線虫の寿命短縮に対するS‐アリルシステインの効果」。活性酸素の一種である一重項酸素が線虫の寿命に及ぼす影響ならびにSACの効果を検討した。線虫(Day5)をコントロール群、EP群(溶液中で一重項酸素を定量的に生成する試薬を用いる)、SAC群、EP+SAC群に分け、1~3日ごとに線虫を観察し、寿命を測定したところ、コントロール群と比較してEP群は有意に寿命が短縮した一方、SAC群では有意に寿命が延長した。加えて、EP+SAC群ではEP群と比較してSACの前処置により有意に寿命の短縮が抑制され、SACが外因性一重項酸素による寿命短縮を改善することが明らかとなった。また、外因性一重項酸素が持つ強い細胞障害性は線虫の寿命関連遺伝子や酸化ストレス応答転写因子を減少させたが、SACはこれらの遺伝子発現減少に対しても抑制的に作用することが分かったという。
そのほか、「S‐アリルシステインの慢性炎症および臓器線維化に対する予防および治療効果」(大阪公立大学大学院 医学研究科 特任教授・竹村茂一氏)、「ニンニク由来化合物S‐allyl‐L‐cysteineの神経細胞保護効果の分子メカニズムについて」(日本大学薬学部薬理研究室教授・小菅康弘氏)、「微生物酵素による S‐allyl‐L‐cysteine の合成と変換」(京都大学大学院 農学研究科・水谷拓氏)の講演が行われ、活発な議論が交わされた。
研究会幹事企業である備前化成の吉田英生氏は、Youtubeやサイネージなどを用いて「脳疲労にSAC」のPRを行っていることを紹介し、「素材供給だけでなく、販売会社様の商品販売の手助けとして一般消費者向けプロモーションにも力を入れています」と話した。
SAC研究会webサイト → https://sac-association.com/