ヌクレオチドの認知向上に努める/ヤマサ醤油

2024年1月16日

乳幼児ミルクに20年以上の採用実績

 醤油製造の大手メーカーであるヤマサ醬油(千葉県銚子市)では酵母核酸由来のヌクレオチドの提案を進めている。ヌクレオチドは母乳に含まれる成分の一つで、乳幼児の免疫機能を高めることが知られている。栄養強化剤として乳幼児ミルクに20年以上の採用実績がある。低分子で水に溶けやすいため、幅広い剤形に対応している。原料としての使いやすさと機能性が注目され、採用を検討する企業も増えているという。

 同社では5つのヌクレオチドを供給し、食品だけでなく化粧品でも採用されている。ヌクレオチドの一つである「5´‐UMP(ウリジル酸)」は、経口摂取の後に体内で速やかにウリジンに変換される。ウリジンは血液脳関門を通過して脳内での主要なピリミジン源となり、ホスファチジルセリンなどリン脂質の合成に不可欠なシチジン三リン酸となる。「5´‐UMP」の経口摂取により、脳内のリン脂質や神経伝達物質のアセチルコリンが増加し、マウスの学習記憶が改善することが確認されている。

認知機能分野でエビデンス蓄積

 また、ヒト試験による認知機能改善作用も明らかになっており、「5´‐UMP」摂取群とプラセボ摂取群による認知機能試験では、摂取12週間後において記憶力、認知柔軟性、そして全般的な認知機能の指標である神経認知インデックスのスコアで有意差が確認されている。同社ではこれらの研究成果を認知症関連学会で積極的に発表し、専門家に対して「5´‐UMP」の認知度向上に努めている。

 また、別のヌクレオチドである「5´‐CMP(シチジル酸)は化粧品原料として、昨年5月の「CITE JAPAN 2023」で企画された「CITEアワード」では技術部門において金賞を受賞しており、紹介を開始している。


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