【インタビュー】パーソナライズドグミ「NOURISH3D」
3Dプリンターで製造、7種成分を1粒に
メリッサ・スノーヴァーCEOに聞く
英国のスタートアップ企業、Rem3dy Health(レメディ・ヘルス)社が開発したパーソナライズドサプリメントグミ「NOURISH(ナリッシュ)3D」が日本市場に本格参入した。ウェブ上のアンケートに回答すると、7つの栄養成分が配合された各個人に最適な1粒を提供する仕組みで、英国ビジネス分野における栄誉「英国女王賞(イノベーション部門)」も受賞している。昨月渋谷で開催されたポップアップストアにて、CEOのメリッサ・スノーヴァー氏に話を聞いた。
‐日本市場での手ごたえは。
昨年の上市から1年経っていないので、なかなか正式な数字を出すことができませんが、半年経たずに1000人以上の顧客を獲得しています。
ナリッシュトの特徴は、約2分で完了する質問に回答すると、一人一人の健康状態や悩み、ライフスタイルに合ったサプリメントグミを提供するという高いパーソナライズ性です。35種の有効成分と好きな味を掛け合わせた600億通りの組み合わせのなかから、最大7種の栄養素を1つのグミにカスタマイズします。ヴィーガン対応、アレルゲンフリーで、砂糖は一切使用していません。
‐基本の35種の栄養成分はどのように選んでいるのですか。
第一に、臨床データなど科学的根拠を持つ成分であること。
2つ目に必要な条件は、有効成分の必要量が多くないことです。グミには多くても1.5gまでしか有効成分を入れられないためです。
また、各国の法規制に合わせて、対応する成分を選んでいます。
‐美味しさも大切ですよね。
はい。私はもともと製菓業界の出身で、グミも大好きです。成分がどんなに良くても、食べるのが楽しみとなるグミにするためには、味が良くなければなりません。しかしながら、機能性を持った素材(栄養成分)は独特の味わいや癖があるものが多く、その上、7種の味を合わせるとなると「美味しいサプリグミ」を作るのはとても大変なことです。私と、6~7人のエキスパートとともに、より良いフレーバーとなるよう工夫しています。
‐3Dプリンターで製造する点も興味深いです。
ウェブ上で注文を受けたあと、英国・バーミンガムにある工場にて、オンデマンドで3Dプリントしています。今回展示しているプリンターはデモ機なので中が見える小型タイプですが、通常は約2×1mの機械で、300秒以下で28個のグミを製造できます。
グミ製造3Dプリンターも、3Dプリンターで製造するのですよ。面白いでしょう(笑)。
‐今後の展望を教えてください。
栄養成分やフレーバーなど、日本独自のニーズに応えられる努力をしていきます。いずれは、子ども向けやペット向けの展開も進める予定です。子供向けは英国、米国では大きく成長しており、成功 していますが、まだ日本では取り組んでいません。
ペットにおいては、まずは、犬向けのおやつを考えています。当社としてもまだ展開しておらず、日本からスタートする予定です。関節やオーラルケアの商品はすでにさまざま販売されていると思いますが、メンタルヘルス向上や歩けないペットの代謝向上のためのプロバイオ品などを考えています。犬種や生活様式、ルーティーンなどからパーソナライズした商品を提供しようと思っています。
‐ありがとうございました。