小林製薬、4月5日迄に因果関係の報告義務

2024年3月25日

腎疾患など健康被害発生で予防的措置

 小林製薬(大阪市)は3月22日、同社が販売する機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取した消費者において腎疾患などが発生したとの報告を受け、同品と腎疾患との関連性の有無の確定には至っていないものの、健康被害拡大を防ぐための予防的措置として、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」といった紅麹関連製品を自主回収した。

 同社によると、健康被害の報告が最初にあったのは今年1月15日。それ以降、同社では3月17日まで原因を追究し、同品およびそれに使用している紅麹原料(自社製造)の成分分析を行った結果、一部の紅麴原料に同社の意図しない成分が含まれている可能性が判明したという。現時点では因果関係は不明としながらも予防的措置として自主回収に至ったという。また、同社の紅麹原料は52社に原料供給されており、これらも自主回収が相次いでいるようだ。

 なお、「紅麴コレステヘルプ」をはじめ該当商品の売上高(2023年1月~12月)は計4億円。そのほとんどが「紅麹コレステヘルプ」によるものだという。

 消費者庁食品表示企画課では3月22日に同社に対して、安全性に関する再検証を行うよう通達。意図しない成分がふくまれているという原因や腎疾患との因果関係を究明し4月5日までに報告するよう指示しており、その報告を受けて今後対応していく。  健康食品の安全性に詳しい専門家は、今回の一連の報道について「さまざまな問題が山積みとなっており、業界にとっても今後思っている以上に大きな問題になりうるのでは」と警鐘を鳴らす。