腸管免疫活性化など研究多数/山田養蜂場

2024年5月8日

 蜂産品素材の機能性研究を進める山田養蜂場(岡山県鏡野町、℡0868・54・1971)では「ローヤルゼリーが持つ腸管免疫活性化作用」や「ローヤルゼリーの免疫賦活能を高める女王蜂由来乳酸菌の発見」など、免疫に関わる研究成果を多数発表している。

 日本薬学会雑誌「バイオロジカル&ファーマシューティカル ブリテン」43巻に掲載された研究では、ローヤルゼリーに含まれる「10-ヒドロキシデカン酸(デカン酸)」が、腸管免疫機能に大きく関与する「M細胞」の分化を誘導する作用を持つことを明らかにした。

 試験管試験にて、デカン酸が腸の上皮細胞表面に発現する受容体(RANK)の発現を亢進すること、モデル生物試験にてデカン酸を鼻に噴霧したところ鼻腔咽頭のM細胞が増加、デカン酸とウイルスの抗原を摂取させたところ抗原特異的なIgA抗体を産生すること等が確認されている。

 昨年9月には国際養蜂会議(アピモンディア2023)において、ローヤルゼリーの免疫賦活能を高める「女王蜂由来乳酸菌(M1)の発見」に関する成果も報告。

 ローヤルゼリー中のデカン酸量は0・4%と非常に希少な成分である一方、同じ脂肪酸の10-ヒドロキシ-2-デセン酸(デセン酸)量はデカン酸の約4倍。かつ、これらの脂肪酸の違いは二重結合の有無のみ、という点に着目した同社は、二重結合を切断してデセン酸をデカン酸に変換できるミツバチ由来の乳酸菌探索を行い、高い変換能力を持つ女王蜂由来乳酸菌「Lactbacillas panisapium M1株」を発見した。M1株によりデカン酸量を高めた「発酵ローヤルゼリー」の生成にも成功。M細胞の分化誘導活性が従来のローヤルゼリーと比較して、より強いことが確認されている。

 そのほかにも酵素分解ローヤルゼリーの持つ血中造血幹細胞数増加作用やプロポリスによる風邪回復作用など、さまざまな研究成果を蓄積し、広く発信している。