〈8/15号座談会〉安倍元総理と機能性表示食品

2022年8月19日

安倍元総理が凶弾に倒れて一カ月が過ぎ去った。あの忌まわしい事件によって、今も悔やむ声は絶えない。世間一般ではあまり知られてはいないものの、健康食品に関心を持ち、機能性表示食品制度実現の最大功労者であった安倍氏の功績は産業界ではたいへん大きい。

本座談会は制度実現に尽力し、安倍氏とも良好な関係を築いた森下竜一氏(大阪大学大学院寄附講座教授)から、制度化をめぐる安倍氏と産業界の関わりを「記録」として残したいという願いから生まれたものだ。産業界も行政でも世代が変わっていくと、この制度の成り立ちを知る者がいなくなってしまうことを本紙編集局も危惧し、企画にたどり着いた。森下氏とともに、本座談会に参加した駒村純一氏(森下仁丹特別顧問)、宮島和美氏(ファンケル相談役)も同様に、亡くなった安倍氏との思い出や今後の産業界について語ってくれた。(司会・編集局 花里淳一)

花里 それでは始めさせていただきます。今回の企画は元々、安倍元首相が7月8日に亡くなった時、森下先生にコメントをいただいて記事にさせてもらったのですが、先生の方からもご提案を頂きまして、安倍さんが機能性表示食品制度の成り立ちにどう関わって産業界が動き出したのか文字として残しておきたいということを望まれたことから、森下先生をはじめ、駒村様、宮島様という安倍さんと関りをもって、なお且つ制度化に尽力した方々にお集まり頂きました。皆様どうぞよろしくお願いします。

森下 そうですね。制度の趣旨を生かすためには、どういう経緯でできたかは非常に重要なので、当事者の安倍さんがお亡くなりになったことで、記録として残しておきたいと思い、提案させていただきました。

花里 機能性表示食品ができる時というのは2012年(平成24年)あたりから遡ると良いのでしょうか。この年の9月、安倍さんが自民党総裁に返り咲き、12月に第2次安倍内閣が発足しました。翌年1月、規制改革会議の復活が閣議決定され、ここで森下先生が健康・医療分野での規制改革について活躍されるという流れです。伏線はそれより4~5年前に検討され、実現しなかったサプリメント法をめぐる政官民の動きもありましたが、この後皆様にお話を伺っていこうと思います。

最初に7月8日に安倍さんが撃たれて亡くなるという衝撃的な事件が起き、日本中のみならず海外でもトップニュースになるほどの大事件でした。森下先生、あの日はどんな思いでしたか。

森下 あの日はちょうど安倍さんに会おうと、事務所に連絡しようと思った矢先でした。テレビを観ていたら、最初散弾銃で心臓の近くを撃たれたと聞いたので、非常に危険な状態であると思いました。その後、ネットニュースなどで見たりして、厳しいという思いしかなかったです。この時期に安倍さんが撃たれるって、ショックで呆然としました。まずは、この後どうなるのかという思いがしました。これは日本の歴史上、ターニングポイントになると覚悟しました。いざという時の人がいなくなってしまい、非常に残念としか言いようがない。あまりにも大きなことです。健康産業界に関しては一番の守護神で、一番の理解者という存在でした。そういう人が突然いなくなってしまったと言うことに対して、もう今はどう歴史が変わってしまうのだろうかという気持ちですね。

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