スギ薬局とさくら薬局が業務提携で合意

2023年3月30日

調剤に強みを持つ両社提携で業界地図に変化

ドラッグストア大手のスギホールディングスは3月30日、グループ会社と調剤薬局を運営するさくら薬局グループとの業務提携について合意に至ったことを明らかにした。調剤併設型ドラッグストアを強みとして全国に1,500店舗を展開するスギ薬局と、約900店の調剤薬局を擁するさくら薬局グループの業務提携により、今後業界地図が塗り替わる可能性が出てきた。

 さくら薬局グループは2008年の非上場化以降、積極的なM&Aを実行し、全国900店舗・売上高1,700億円規模の調剤薬局業界3位へと急激に成長した。一方で買収などの投資に伴う借り入れ負担が膨らみ、さくら薬局グループ関連8社は事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請し、事実上の破綻に追い込まれていた。

 その後2022年10月にさくら薬局グループは日本産業推進機構グループ(NSSK)の経営支援を受け、今年1月に事業再生計画案が成立。今日3月30日付でさくら薬局グループの株主がNSSKグループへと変更となった。

提携により2,500店規模のドラッグ企業が誕生か

 そのさくら薬局グループと業務提携するスギ薬局を有するスギホールディングス。

スギ薬局は地場の中部地方を中心に、関東・関西・北陸エリアに約1,500店舗を展開。約3,500名の薬剤師と約500名の管理栄養士を擁し調剤併設型ドラッグストアを強みとしている。また、グループが掲げる「トータルヘルスケア戦略」のもと、店舗を核とする地域連携やデジタル活用のネットワーク構築を進めている。

 今回の提携については「両社グループの取り組みをより進化させるものであり、互いのビジネスモデルや経営ノウハウの共有などを通して、医療・ヘルスケア領域における店舗・専門人財・情報ネットワークを構築することで、両社グループの事業展開をより一層推進していく」と示している。

スギHDによると「さくら薬局グループとの業務提携はNSSKを通じて昨年11月頃にお話しをいただいた。その後12月頃から検討を始め、今回の業務提携合意に至った」とのこと。

 業務提携の形は具体化されていないが、両社グループの規模が融合すると、単純計算で約2,500店規模のドラッグ・薬局運営企業が誕生することになる。