共栄会に林外務大臣が登壇/ウエルシアHD

2023年5月15日

商品提供・感染防止の貢献に感謝の意を示す

薬剤師会、保険薬局協会、病院薬剤師会トップも集結

 ウエルシアホールディングスは5月12日に都内で、同社と取引メーカー、卸による親睦会「2023年ウエルシアホールディングス共栄会」を開催した。総会後に開かれた懇親会では約760人の取引先関係各社の前で、外務大臣の林芳正氏が登壇し祝辞を述べた。懇親会の挨拶には、林大臣の他、日本薬剤師会の山本信夫会長、日本保険薬局協会の首藤正一会長、日本病院薬剤師会の和泉啓司郎専務理事が立ち、ドラッグストアの活動に謝意を述べた。

握手を交わす(左より)池野会長、山本会長、林大臣、首藤会長、和泉専務

林大臣「三位一体で取り組んだセルフケア推進」

ウエルシアHDの池野隆光会長

 ウエルシアHD会長の池野隆光氏は、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の会長も務めており、長年JACDSではヘルスケア議員懇話会を開き、林大臣はその会の会長を務めている。

 池野会長は冒頭の挨拶に立ち「今日は特別ゲストとして4名の方にお越しいただきました。特に、外務大臣の林先生と業界の方々に、一緒にこの場に集まるということが大きな価値がある、と思っています」と語った。

 林大臣は外務大臣として登壇した経緯について「我々が野党時代だった10年以上前から、JACDSと共にヘルスケア議員懇話会で勉強会を重ねてきました。その時々の厚労行政について池野会長をはじめとするドラッグストア業界の方々と我々議員、そして厚労省と三位一体で『一番良い方法は何か』を議論してきたのです」と長きにわたる協力関係を説明した。

林外務大臣

 その中で産官がドラッグストアを通じた「セルフメディケーション」の推進に取組んできたことを強調。

「私は外務大臣になる前に、党の税制調査会で役員を務めていたので、OTC医薬品などでセルフケアを行う『セルフメディケーション』は税制の観点からも応援するべきだ、と思っていました」と語った。

 その後「セルフメディケーション税制」の成立を果たしたことに触れ「この制度は、税制の優遇という経済的な利益はもちろん、国が税制を定めることでしっかりと国民のセルフメディケーションの取り組みを後押ししていくのだ、というメッセージを出していく意味でも大変重要だと感じております」と林大臣は話した。

 そしてコロナ禍においてドラッグストアが最前線に立ち、商品の提供および感染対策防止に尽くしたことに感謝の意を示し、「外務大臣は、ウクライナへのロシア侵略への対応および中国とどう向き合っていくかなど、あまり笑顔になれるような仕事が無いわけですが、皆さんが携わっている国民が健康になるために『ちょっといいものがある』と感じ、買物を通じた笑顔に溢れる仕事に触れ、今日皆さんからいただいた笑顔やエネルギーをしっかりと溜め込んで、外交に当たっていきたいと思います」と締めくくった。

薬剤師会「役割を果たすDGSを誇りに思う」

日本薬剤師会の山本信夫会長

 続いて日本薬剤師会会長の山本信夫氏が登壇。

 山本会長は「日本薬剤師会は職能団体であり、薬剤師として果たすべき役割を示しておりますが、そのことを具体的に実行していただいているのはドラッグストア企業と関わる企業の皆さまなのです」と話し、「新型コロナウイルス流行の3年間、ドラッグストアの方々の頑張りは極めて重要だと感じています。国民が容易にアクセスできる形でコロナの検査が可能になる、あるいは様々な医薬品が提供できたことは薬剤師として誇らしく思いますし、感謝しています」と謝意を込めた。

日本保険薬局協会の首藤正一会長

保険薬局協会「職能発揮の場として共に進む」

 日本保険薬局協会会長の首藤正一氏(アインHD専務)は「私が調剤薬局の業界に携わった30年前、薬剤師の就職希望先は病院、製薬企業、薬局、ドラッグストアという順番でした。1993年当時は薬分業率が10%程度、調剤薬局の市場規模は1兆円ほどでしたが、現在のウエルシアさんは調剤薬局数が2000店舗を越え、調剤併設店舗数が日本一になっています。保険薬局協会もドラッグストアさんと一緒に同じ薬剤師が職能発揮する場なので、共に業界を盛り上げていきたいと思っています」と前向きに語った。

日本病院薬剤師会の和泉啓司郎専務理事

病院薬剤師会「対人業務と医薬分業を共に実現」

日本病院薬剤師会専務専務理事の和泉啓司郎氏は「私は大学を卒業して病院に薬剤師として就職いたしました。今、厚生労働省が指し示す薬剤師の対人業務はいつ果たせるのか、と思いつつ、朝から晩まで調剤業務を行っていました。ここにお集まりの皆さまの力を結集してこその医薬分業だと思いますので今後ともご協力を頂けたらと思います」と語った。

卸業「医療に貢献した誇りを胸に」

メディパルHDの渡辺秀一社長

 最後に乾杯の挨拶に立ったメディパルホールディングス社長の渡辺秀一氏は、「3年間にも及ぶ世界的なパンデミックの経験を良いこととして捉えれば〝変革〟が行えたということでしょう。参加されている、ドラッグストア、調剤薬局、薬剤師といった医療関係の方々を中心に、我々は3年間の変革を経て、医療に貢献できたという誇りを得たと思います」と語った。

 そして、ウエルシアHDが先般タバコの販売中止に踏み切ったことに触れ「食品や薬を通じ、健康・美容に貢献するという活動は、広い意味で言うと人間を応援していくことだ、と思います。タバコの販売を中止する理由について『国民の健康づくりに貢献する』と話されていましたが、これは池野会長、松本社長の美意識なのでしょう。『健康に貢献するドラッグストアがタバコ販売をしていいのだろうか』という違った角度でものを考える方々と、お取引を通じて商売をさせていただけるのは本当に幸せだ、と感じています」と話した。