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【連載】「年中夢求」の20年①/ドクターセラム 𠮷川 育矢社長
第1回 シルクフィブロインの開発と研究
今年2月で創業20周年を迎えたドクターセラム(東京都渋谷区)。創業者の𠮷川育矢社長は、人々の健康と美に寄与すべく、主力製品の「シルクフィブロイン」をはじめ、数々の独自商材を世に送り出してきた。本連載では、𠮷川社長が歩んできた「年中夢求の20年」をフォーカスし、独自商材の魅力や商品開発に込めた想いに迫る。
高い数値を下げ、低い数値を
上げるのは医薬品にもない現象
同社の主力製品である「シルクフィブロイン」は、1493人対象の大規模臨床試験で抗糖尿作用や脂質代謝改善作用を確認するなど圧倒的なエビデンスが評価され、販売開始から約20年が経過した現在も高いリピート率を維持している。

𠮷川社長がシルクフィブロインと出会ったのは、健康食品や化粧品の原料を製造するメーカーで執行役員を務めていた前職時代だ。「当時の会社でシルクを用いた美顔パックを開発し、大ヒットしたことから、経口摂取でも何らかの効果があるのではと考え、臨床試験を実施した。その結果、血糖値や総コレステロールなど基準値よりも高い項目は低下した一方、HDLコレステロールなど基準値よりも低い項目は上昇が認められた。これは医薬品でも見られない極めて珍しい現象だ。シルクフィブロインなら糖尿病に苦しむ多くの患者さんを救えるかもしれないと思い、すぐにでも商品化したかった」(𠮷川社長)。
当時勤めていた会社ではシルクフィブロインの製品化が叶わず、夢を諦められなかった𠮷川社長は独立を決意。2005年2月にドクターセラム株式会社を設立した。
しかし、いきなりの試練が𠮷川社長を襲った。
「会社を設立し、すぐに原料となる蚕の繭を1トン調達したが、シルクフィブロインの抽出に必要な限外濾過装置を持つ企業は国内に僅かしか無かった。条件に見合う工場にようやく辿りついたが、当時はラボスケールでの製法しか確立されておらず、実機では何度も失敗しながらテスト製造を繰り返した」。
約1年にわたる試行錯誤のうえ、ついに実機レベルでの製造に成功。消費者が継続して摂取できるようおいしさにもこだわり、当時は珍しかったピーチ味のゼリー分包を採用すると、エステサロンなどで早くも好評を博した。
「シルクフィブロインの製法は他社には真似できない技術であるため、あえて特許は出願していない。現在にいたるまで、シルクフィブロインは世界でオンリーワンの製品となっている」。 シルクフィブロインの製品化を実現した𠮷川社長は、確固たるエビデンスの創出を目指して大規模臨床試験に挑戦する。
<続く>
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