【レポート】第80回 日本栄養・食糧学会

2026年6月3日

5月15日~17日の3日間、サンポート高松にて「第80回 日本栄養・食糧学会大会」が開催された。今年の大会テーマは「栄養と食糧科学で支える健康長寿社会の実現」。同大会では、特別講演・教育講演・シンポジウム・ランチョンセミナー・国際シンポジウム、医薬連携フォーラム、市民公開シンポジウム、一般講演などが行われ、470を超える発表が行われた。注目となった演題を紹介し、近年の研究の傾向をまとめる。

感覚栄養学や線虫モデルなど最先端研究も

月経周期で耐糖能が変動

教育講演「時間栄養学のエビデンスの現状と活用法・演者:高橋将記氏(東京科学大学)」では、食事の内容だけでなく「いつ食べるか」が健康に与える影響について最新の知見を紹介。朝食欠食が肥満や耐糖能低下のリスクを高めることや、朝食でたんぱく質や食物繊維を摂取することで、その後の食後血糖値上昇を抑制できる可能性を解説。さらに、月経周期によっても耐糖能が変動し、黄体期には特に昼食・夕食後の血糖値が上昇しやすいことなどを報告した。

「宇宙滞在におけるカウンターメジャーとしての栄養:生理的変化と栄養要件・演者:港屋ますみ氏(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)」では、「現在の宇宙栄養」として、宇宙環境がもたらす特有の生理的変化と対策について解説。エネルギー摂取不足回避の重要性、鉄過剰による酸化ストレス防止のための鉄分制限、骨量減少や腎結石リスクを軽減するためのナトリウム制限、紫外線遮断によるビタミンD補給などを紹介した。

「研究成果で国際標準化を狙える!災害食・災害栄養を事例として」演者:坪山宜代氏(宇都宮大学)」では、世界で初となる災害食の国際標準化(ISO)の取組みについて、災害栄養研究のエビデンスや宇宙への展開等について紹介した。

このほか「健康寿命を支える脂質栄養研究の展望 ~基礎とヒト研究の統合、AI統計解析の試み~・演者:竹内弘幸氏(富山短期大学)」、「機能性食品に関する課題と制度のあり方・演者:熊谷日登美氏(日本大学)」、「メタボリックシンドローム病態におけるビタミンE代謝動態の変容と生理的意義・演者:池田彩子(名古屋学芸大学)」、「高齢者の活動的移動と健康長寿―生活の足としての徒歩・自転車の役割―・演者:角田憲治氏(筑波大学)」などの教育講演が行われた。

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