アッカーマンシア菌増殖作用で特許出願/東栄新薬

2021年7月20日

アガリクスの抗肥満・免疫療法への有効性を示唆

 東栄新薬(東京都三鷹市)は、同社の販売する露地栽培アガリクス「キングアガリクス21(KA21)株」の新たな機能性として、東京薬科大学免疫学教室との共同研究でアッカーマンシア菌(アッカーマンシア・ムニフィラ)の増殖作用を確認。同社では、本研究成果を受けて「医療・美容に応用可能なアッカーマンシア・ムシニフィラ増殖促進用組成物およびこれを含む医薬、飲食品、飼料」として特許出願を行った。

 偏性嫌気性グラム陰性細菌の一種であるアッカーマンシア菌は、ヒトをはじめとした多くの哺乳動物の腸内に存在する。

一方、近年の研究では、肥満や糖尿病、潰瘍性大腸炎、クローン病などの罹患者は腸内のアッカーマンシア菌の量が減少していること、マウスを用いた研究ではアッカーマンシア菌の投与によって脂肪増加やインスリン抵抗性の改善が示唆されたこと、抗悪性腫瘍剤(PD-1阻害剤)の作用を増強させることなどが報告されている。

 KA21株の機能性についてはすでに30報以上の海外論文が発表されているが、本研究によってメタボリックシンドロームの改善や糖尿病治療、がん免疫療法、腸内抗炎症、美容などへの可能性が新たに示唆された。

 同社では、今後も学術機関などとの連携でさらなるエビデンスの蓄積に取り組んでいく考えだ。

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