未病対策をテーマに学術集会開催/Tie2研

2026年11月4日

長寿医療研究センター・佐治氏が腸管相関と口腔機能を解説

Tie2・リンパ・血管研究会(東京都千代田区)は10月22日に都内で「第12回Tie2・リンパ・血管研究会学術集会」を開催し、約100人が参加した。今年は「血管・リンパ管バリアからの未病対策」をテーマに5つの講演とパネルディスカッションが行われた。

冒頭では、同会会長・高倉伸幸氏(大阪大学微生物研究所教授)が、「がんと老化の毛細血管障害の共通性」と題して、会長講演を行った。高倉氏は無機能毛細血管を「ゴースト血管」と命名者として知られる。講演では毛細血管のゴースト化による消失が、加齢によってさまざまな臓器で起き、それらの機能低下につながっていることが分かっているが、がん組織の中でも確認できるという。毛細血管の劣化による老化性疾患の発症とがん悪性化促進の関連性などをこれまでの研究成果とともに解説した。

また、学術講演では国立長寿医療研究センターの佐治直樹氏が「腸管相関と口腔機能:老化予防の視点から」と題して講演。健康長寿のためには認知症、口腔機能、腸内環境などを各々対処するのではなく、それぞれが密接な関わりがあり、包括的な対応を必要としている。その上で「エビデンスに基づいて認知症のリスク軽減を実現させたい」と話した。

このほか、会員講演では同会の会員企業である丸善製薬の栢木宏之氏が登壇。「ポリフェノール腸内細菌代謝物HMPAとその抱合体による血管内皮NO産生促進作用」をテーマに自社素材の関与成分としても使用しているHMPAの作用について解説した。栢木氏は、ポリフェノールの代謝物であるHMPAは、体内で硫酸抱合体やグルクロン酸抱合体に変化した後も、MCTやOATP、GLUTなどの輸送経路を介して血管内皮細胞に取り込まれ、NO産生を促進する可能性があると示した。 なお、会員講演では同じく会員企業である資生堂が「皮膚血管・リンパ管の3次元構造と、表皮恒常性における役割の解析」をテーマに、あっとは「毛細血管測定の社会実装‐微小循環の可視化・定量化から考える未病対策」をテーマに講演を行った。


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