認知症サポーターになろう!

2021年4月19日

認知症サポーターになろう!

“自分事”として受け入れることが必要に

認知症は誰にも起こりえる病気

2020年9月時点の我が国の65歳以上の高齢者人口は3,617万人。その比率は28.7%と、すでに3.5人に1人が高齢者の時代に入った。

高齢者人口の増加とともに増えるのが認知症患者だ。2020年の65歳以上の認知症有病率の推計は16.7%の602万人で、高齢者の6人に1人が認知症患者という計算になる。

認知症で加齢等で脳の働きに不都合が生じる症候群の総称で、誰にでも起こりうる身近な病気。その症状は記憶力の低下、時間・季節・場所の感覚の喪失、考えるのに時間を要する、計画的な行動の欠如など、高齢者でなくとも思い当たることは多い。

しかし認知症を「自分とは遠い存在」と捉える者が多勢で、当事者やその家族との間には壁もある。繰り返しになるが、認知症は誰もが発症の可能性がある病気で、発症数は間違いなく増える。超高齢社会を生きるには、認知症を「自分ごと」として受け入れることが必要である。

寛容と共助の精神で接客を

認知症サポーターとは、全国キャラバン・メイト連絡協議会と自治体の協働により開催される「認知症サポータ―養成講座」の受講者に与えられる称号。直近のサポーター数は1,301万人にのぼる。

講座は認知症サポーターの定義を「正しい知識を得て接し方を理解し、できる範囲で患者とその家族を温かく見守る応援者」と説明している。応援の基本は、地域における見守りと、傾聴すなわち当事者の言葉に耳を傾けることである。

昨年6月に国が認知症施策推進大綱を策定したことで、各自治体が認知症施策を促進している。先のドラッグストアショーの会期中も千葉市が初のオンライン講座を開催した。

市の担当者は「認知症の方が安心して暮らせる街づくりは行政だけではできません。今後も当事者とその家族、地域の方々とタッグを組んで施策をすすめていきます」という。

講座に参加すれば、認知症を自分事と考える市民の輪が広まっていることも実感する。しかし、行政や市民のボランティアに頼るだけでは解決しないこともある。健康の相談窓口であるドラッグストアがここに関与すれば、多くの地域生活者の拠り所になるはずだ。

正しい知識を得れば心得も備わる。店頭スタッフなら、認知症が疑われる方への対応を通じ、寛容と共助の精神を持って接客できるようになる。

その第一歩として、個々に認知症サポーター養成講座の受講をお勧めする。

(八島)