NZ産プロポリスの供給に注力/シクロケム

2021年7月16日

神経線維腫症や認知症などへの有効性を示唆

 シクロケム(東京都中央区、 http://www.cyclochem.com/ )は、2019年に「コサナ・ニュージーランド」を設立し、ニュージーランド産プロポリスの原料供給に注力している。

 NZ産のプロポリスは、特有の成分としてコーヒー酸フェネチルエステル(CAPE)を豊富に含むことが特徴。

CAPEは老化や発がんに関与するキナーゼの一種・PAKを遮断する作用を持ち、抗がんや希少難病である神経線維腫症の増殖抑制作用などが期待できる。

 また、CAPEはアルツハイマー型認知症やパーキンソン病を引き起こす脳のたんぱく質の凝集抑制作用や神経細胞の分化誘導作用を持つことも分かっており、産業技術総合研究所との共同研究では、ポジティブコントロールであるビタミンA(レチノイン酸)の約3倍に及ぶ神経細胞の分化誘導作用が認められた。

同社では、CAPEを10g当たり30mg以上で規格した「NZCAPE30+」および、同素材をγ-シクロデキストリンで包接し、CAPEの安定性・吸収性を高めた「NZプロポリスCD」の2種類をラインアップ。優れた機能性が評価され、原料供給の引き合いが増えているという。

 実際に、神経変性疾患を誘発させたマウスを用いた試験では「NZプロポリスCD」摂取群の方が包接していないCAPEを摂取した群よりも記憶力の顕著な回復が見られている。

 CAPEの機能性に関しては、新型コロナウイルスに対する有効性も示唆されていることから、同社としても引き続き機能性の究明に注力していく方針だ。