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通知の改悪で業界がつぶされる(215)
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8月22日になって、参議院議員会館で丸谷議員の土曜協議会が開かれた。そしてそこで厚生省から46通知改正の内容が示された。
改正のために厚生省はこの年の2月にマニュアル作成委員会を作っていた。メンバーは内山充、小林彰夫、三輪亮寿、中村健、原田正敏、阿部達夫の面々である。
内山充さんは国立衛生試験場の食品部長から2年前に薬品部長になったばかりで、健康食品については一過言ある人だった。原田正敏さんは内山さんと同じ国立衛試の生薬部長をやっていた人で、小林彰夫さんはおそらくお茶の水女子大の教授で、食品科学などの先生だったと思う。さらに阿部達夫さんは東邦大学医学部教授でビタミンの研究で知られる臨床栄養学者で、厚生省に栄養審議会の委員長。後の機能性食品検討会の座長を務めている。三輪亮寿は薬事法に詳しい弁護士らしい。
こうした面々で薬事法の食薬区分の基準となる46通知の改訂を出すと言われていたが、実際はマニュアル作りだったのかもしれない。そしてこの協議会の席上で委員会のマニュアル案、つまりたたき台のようなものが明らかにされた。以下はそれに書かれていた問題となる箇所だ。
「カプセル、錠剤型は薬効をうたわずとも医薬品的効果を暗示するもので、食品形状として容認するに問題がある」、「用法・用量を標ぼうすることは認められず、論ずるに当たらない」、「四十六年通知の考え方に妥当性を認めている」。
つまり形状も用法・用量も健康食品には認めないし、それを規制している46通知は薬事法に照らして真っ当な内容だと言うことだ。
さらに規制を受ける側が衛生法規などの規制に慣れていないものが多く、「かつ極めて不特定多数の集団」、つまりどこの馬の骨だか分からない有象無象の連中で、その者たちが作った製品だから、「その記載のあり方については特段の配慮が望まれる」と、半分小馬鹿にしたように規制を要望している。
これでは46通知の改正には違いないが、改善では改悪ではないか。出席者の多くは厚生省薬務局が規制強化を目指して、この改正を進めていることを初めて知った。ここに来てようやく、前年から厚生省薬務局が進めていた様々な動きが、すべて健康食品の規制強化を図るためのものだったことに気付き強い憤りと危機感を持った。
それで業界はいち早く動いた。このまま手をこまねいていたら、大変なことになる。全日本健康自然食品協会は財団法人日本健康食品協会(現日本健康・栄養食品協会)と相談の上、翌9月27日の土曜日に、食糧会館で薬事法46通知改悪反対の総決起大会集会を開催することになった。集会のタイトルは「要望書集会-健康自然食品を考える」と穏当なものとなっているが、一緒に檄文も配られた。これには激しい言葉が並ぶ。
「改訂内容は、種々など情報から推察して、業界にとってまさに改悪そのものとなりかねない重大な危険性を含んだものであることが、日々、詳らかになりつつあります。(中略)今日の健食業界の発展が、幾多の先達らの計り知れない辛苦の努力犠牲に寄与することはあっても、断じてその発展の歯車を一歩なりとも後退させることはできませんし、またさせてはなりません。(中略)我々は断固たる意見を共に確認し、その意気をもって行政に即時、改悪内容の是正を働きかけていこうではありませんか」
この頃の業界は役所の言うことをおとなしく聞いているだけではなかったのである。
(ヘルスライフビジネス2023年3月15日号「私の故旧忘れ得べき」本紙主幹・木村忠明)