製剤技術で素材の機能を最大限発揮/備前化成

2021年9月24日

備前化成(岡山県赤磐市☎086-995-3311)は、食品成分を口腔内に長く滞留させる顆粒化技術「B-MoG(ビーモグ)」や、食品成分を消化管の狙った場所へ送達する錠剤化技術「B-ReC(ビーレック)」など独自の技術を有する。

口腔内のリフレッシュだけでなく、マスク着用機会が多いコロナ禍で「臭いが気になる」といった悩みの増加、歯磨きが難しい高齢者向けなど、現在、口腔ケア製品は幅広く活用されている。

機能性成分をできるだけ長く口腔内にとどまらせたい口腔ケア製品であるが、1日1~1.5リットルと言われる唾液分泌量の多さにより、すぐに成分が流されてしまうことが課題であった。

その課題を解決するのがB-MoGである。B‐MoGは、コーティング剤で保護された機能性成分と、粘膜との親和性を有する高分子基剤を賦形剤で顆粒化。口腔内に入ると唾液が浸潤して賦形剤が溶け高分子基剤を放出、口腔内粘膜に付着する。さらに唾液の浸潤が進むとコーティング剤で保護された食品成分がゆっくりと溶け出す。つまり、粘膜と高い親和性を持つ高分子基材によって顆粒が粘膜上部の唾液層にとけ、その粘性で成分が流れにくくなる仕組みとなっている。

研究では、一般製剤の成分が5~8分後に口腔内から消失した一方、B-MoGでは消失まで30~35分の時間がかかることが明らかになった【グラフ】。

また、口臭抑制向けのポリフェノールや歯周病菌予防が期待される乳酸菌など多くの素材がB-MoGで顆粒化できることも分かっている。B-MoG顆粒は100ミクロンオーダーまでの微粒子化や押出造粒、そのままでも使用可能。チュアブルやグミ、ガム、菓子、シリアルなどへも配合できる。

B-ReC錠は、食品機能成分を小腸上部や下部、大腸でピンポイントに溶出させ効果的に機能を発揮できる技術。例えば「乳酸菌(死菌)を、腸管免疫を持つ小腸下部で溶出する」、「一定濃度以上は体外に排出されてしまう水溶性ビタミンを徐々に溶出させ体内利用を向上」など成分に適した調整ができる。胃では溶出せず、錠剤の形や大きさを自由に設計可能な点も特徴である。