規制強化の阻止には政治力が効いた?!(216)

2026年10月20日


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46通知の改訂案が明らかになったことで、厚生省の薬務局は端から業界にとって都合の良いような“改善”などする気が全くないことが分かった。それで「5月の土曜協議会のときとまるで違う」と憤る業界関係者は多かった。

しかし、振り返ってみると5月の時もそれ以前も厚生省が規制を緩めるなどと言ったことは一度もなかった。財団法人の認可やそこでの健康食品の規格基準づくりなどが進んでいたことで、業界関係者は厚生省が健康食品を認めたと思い込んでいた。

ところが、これは勝手な思い込みで、確かに財団法人を管轄している厚生省の食品部局は健康食品に前向きだった。ただ、これも是々非々で、すべても認めた訳ではない。しかし医薬品を管轄する薬務局はむしろ規制の強化を考えていたわけだ。ともかく同じ厚生省でも部局が変わると、立場がまったく違うと言うことを改めて思い知らされた。

そして決起集会を開くことになった。しかしそこで気炎を揚げても、相手が聞く耳を持たなければ如何ともしがたい。だいたい国がことを決めるときは必ず、学識経験者を集めた事前の検討会などの協議の場を設ける。そうでないと自分たちで勝手に決めたと言われかねないからだ。つまりは役人の責任逃れである。

そしてそこに集まった先生たちは行政側の息のかかった“御用学者”である。なかでも会を取り仕切る会長や委員長などの責任者には最初から“落としどころ”を知らせてある。行政側の思いもしない結論になっては、元も子もないからだ。これは役人から直に聞いた話だから間違いはない。そう言うことを知ってから我々は、様々な協議の場が設けられるたびに、責任者から“落としどころ”を聞き出すことに力を注いだ。だから今年の春に発足した協議会のまとめたたたき台を見ればほぼ結論は目に見えているということになる。


 「今頃言い出しても遅いよね」と葛西博士は諦め気味だ。私もそう思うが、業界の幹部たちは諦めてはいなかった。全健協の幹部が樫本龍太郎に働きかけたことを知ったのはだいぶたってからだった。こんな時こそ政治力がものを言うと考えたのは、大人の発想だ。我々のような若造には及びもつかないことだった。しかも橋龍さんは以前にも書いたように親子2代にわたっての厚生大臣経験者であり、将来の総理大臣候補と言われていた。政治力を頼りにするにはまたとない政治家だった。

(ヘルスライフビジネス2023年4月1日号「私の故旧忘れ得べき」本紙主幹・木村忠明)

※第217回は10月27日(火)更新予定(毎週火曜日更新)

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