Withコロナニーズに対応する摩耶堂製薬の取り組み

2021年4月19日

Withコロナニーズに対応する摩耶堂製薬の取り組み

Withコロナで生まれた悩み「マスクニキビ」に

対応したパッケージの「ネオ小町錠」を新発売

新型コロナウイルスによって「Withコロナ」や「ニューノーマル」など言葉が生まれ、それによって新たな悩みが発生している。例えば、感染リスクを回避するために「あまり病院に行きたくない」ということで、これまで処方箋を受け取り、調剤薬局で医療用医薬品を受け取っていた軽疾患の患者が、ドラッグストアや薬局で購入できるOTC医薬品にシフトするなどだ。

確かに風邪薬や花粉症などマスクをすることで罹患者が減り、シュリンクした市場はあるものの、コロナ禍を通じてOTC医薬品の存在感がより強くなった市場は存在する。皮膚薬や膀胱炎、痔疾患などが今のところ判明しているが、その他の多くはまだまだ潜在化している状態にある。掘り起こされていない市場を顕在化し、訴求していくことは新型コロナウイルスを乗り越える策としてだけではなく、結果的に社会保障費の抑制にもつながるという意味合いでも社会的意義が非常に高いということを知っておきたい。

まさに今、より多くの生活者にOTC医薬品を使用してもらうチャンスであるのだが、それに気づいてもらうためには、メーカーは既存のマーケティングだけではなく、エンドユーザーのニーズに合致したような訴求を打ち出していく必要があるだろう。

和漢薬を中心に展開する摩耶堂製薬が、面白い取り組みを行っているので紹介したい。4月9日に「ネオ小町錠お試し7日分(63錠)」を新発売することだ。そのパッケージには大きく「マスクニキビに効く」と表記されており、Withコロナにおける新た

なニーズに対応したマーケティングであることが分かる。購入客視点に立つと、非常にわかりやすく手に取りやすいパッケージとなっている。

昨年同社は、肩・腰・背中の痛みに効く内服薬「雲仙錠」「雲仙散」のパッケージをリニューアルし、同時に「飲む整体」というキャッチコピーを使った営業活動とマーケティングに取り組んできた。これは外出自粛に伴う在宅ワークが推進されたことにより、肩こり・背中こりを解消しようとするニーズが高まったことに対応するための策である。

「ネオ小町錠」は、吹出物やニキビの治療・予防を効能効果に持っている和漢薬と西洋薬のハイブリットともいえるOTC医薬品(第2類医薬品)だ。これまで126錠と270錠が販売されてきた。同品にはキキョウ、センキュウ、ダイオウ、トウキ、ボタンピ、ヨクイニン、ケイガイ、レンギョウ、サンキライ、ニンドウの「排膿作用を持つ生薬」。サンキライ、ニンドウ、レンギョウの「解毒作用を持つ生薬」。ニコチン酸アミド、リボフラビン、ピリドキシン塩酸塩、アスコルビン酸、DL‐メチオニン、パントテン酸カルシウム、乳酸カルシウム水和物の「整肌作用をもつ成分」が配合されており、今治したいニキビや皮膚炎を治療するだけでなく、再発も防げるという特徴を持つ。

新たな「マスクニキビに効く」という訴求パッケージの「ネオ小町錠お試し7日分(63錠)」は、商品が持つ強みとWithコロナで生まれた悩みを直結させるようとする取り組みであり、新たな生活様式の中、ドラッグストアがセルフメディケーションを推進していくフックにもなる。WithコロナでOTC医薬品が役立つという啓発も含めて、ぜひドラッグストアはこうした新たなチャレンジをする商品を取り入れていきたいところだ。