素材の風味や成分を損なわない加工が可能/はつらつ

2022年12月6日
ジェットミル粉砕機 この他にも粒の大きさに適した粉砕機を用いる

 セイシン企業グループのはつらつ(仙台市青葉区)では長年培ってきた加工技術を生かした原料加工を行っている。同社では粉体加工を中心に殺菌、混合、造粒、コーティングなどの加工に対応している。中でも粉砕加工では乾燥や粉砕、殺菌の工程で極力熱を加えない加工で風味や色味を残した高品質な粉末を提供している。

 粒子の大きさは粗粉砕、中粉砕、微粉砕、超微粉砕などに対応。ジェットミル粉砕機など粒の大きさに適した粉砕機を用いて1000メッシュ~3000メッシュ(15~5㎛) の粉末まで製造可能だ。

 これまでに野菜や果物、穀物、茶葉など幅広い食材の加工実績がある。健食向けの素材では菊芋やキクラゲなどの加工も増えているという。

 また、米や大豆などデンプンを含む穀物素材はアルファ化技術による加工も可能。米の加工の場合、加熱とせん断方式を用いた粉砕によってアルファ化した米粉に加工できる。食材の香りや栄養成分を損なわず粉末化が可能で、水を加えることで食べやすいゲル状となる。

 同社ではアルファ化技術を生かした製品も開発し、11月からは「なめらか白がゆ」の販売を開始している。噛む力の弱い乳幼児や嚥下能力の低下した高齢者でも食べやすいため災害時の栄養補給にも期待されている。

アルファ化技術では食べやすいおかゆの製造も可能

 同社代表取締役の池田信明氏は「アルファ化技術を応用してすでに米粉やライスミルクなどが実用化している。大豆、もち麦等もアルファ化可能で、新商品開発の可能性が広がる」と話す。

 この他に同社では食品の加工残渣にも対応している。近年はSDGsの観点から、形や大きさの問題で市場に出せなかった食品などを有効活用するための加工依頼も増えているという。