「超臨界プロポリス包接体」上市/富士見養蜂園

2023年6月20日

アルテピリンCの吸収性を格段に向上

  新商品の「超臨界抽出プロポリス蜜」
    を手にする角田陽介社長

富士見養蜂園(埼玉県志木市)は、プロポリスやローヤルゼリーなどの蜂産品について60年近くに及ぶ取扱い実績を持つ老舗サプライヤー。

主力商材の「超臨界抽出プロポリス」は、凍結粉砕した原塊から二酸化炭素を用いて有効成分を抽出しており、特にプロポリスに含まれる脂溶性成分を効率よく摂取できることが特徴。世界初の超臨界抽出技術で加工したプロポリス原料として1991年には製法特許を取得している。

最近では、北海道産や長野産を中心とした国産の百花はちみつに超臨界抽出プロポリスの乳化液を配合した「超臨界プロポリス蜜」【写真】を新発売。百花はちみつは、ハゼ、シナ、ソヨゴなど野山の花々の蜜が入った味わい深いとなっており、手軽においしく摂取することが可能。オンラインショップを中心に販売するほか、地元・志木市の「ふるさと納税」の返礼品にも採用されている。

本製品に使用されている超臨界抽出プロポリス乳化液は、強い粘性と脂溶性を示す超臨界抽出プロポリスを微粒子状に乳化分散しているため、ドリンク、ゼリー、スプレーなどの液体製剤に配合できることが特徴だ。

さらに、同社では超臨界抽出プロポリスをγ‐シクロデキストリンで包接・粉末化した新素材「超臨界抽出プロポリス包接体」を上市した。

シクロケムバイオ(東京都中央区)および国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究によって開発された同素材は、γ‐CD包接を施すことでプロポリスの有効成分であるアルテピリンCの吸収性を飛躍的に向上させるとともに、独特の風味を抑えていることが特徴。インビトロの試験では、小腸液中における溶解度向上、がん細胞の増殖抑制、炎症性サイトカインおよび血清アミロイドPの低減作用などを確認している。

このほか、プロポリス原塊に超高圧(2000気圧)をかけることで有効成分をまるごと抽出した「ホールフーズオーガニックプロポリスFD粉末」、競争力ある価格で提案可能な「超臨界脱脂プロポリス末」などをラインアップ。さらなる品質向上や新たな用途開発にも注力していく構え。